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HTML5がW3C勧告された [インターネット]

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「HTML5」がついにW3C勧告に -INTERNET Watch

World Wide Web Consortium(W3C)が、28日、HTMLの第5版である「HTML5」をW3C勧告として公開した。

HTMLは、1997年に「HTML 4.0」が勧告された後、その修正版の「HTML 4.01」が1999年に勧告され、それ以来、長きに渡ってWebの標準規格として君臨し続けていた。
ただ、さすがにこれだけ長期間古い規格を使い続ければ、不満も出てくる。
そこで、新しいWebサービスを生み出したいGoogle、Apple、Microsoft、Opera、Mozillaなどが呉越同舟し、「HTML5」の規格を生み出すことになった。
まず各社のニーズありきで作られた規格なので、「HTML5」は必ずしも美しい規格とは思わないが、ハッキリ言って「使える」機能満載のおもちゃ箱である。

私自身は、策定の過程を見聞きしていて「これでは仕様が膨大過ぎだから、組込み機器向けにはサブセット仕様とか、ターゲットに応じたプロファイルの定義が必要じゃないだろうか?」と思った。
家のAV機器などにGeolocation API (現在位置取得)が必要と思わないし、リソースを食うWeb WorkersとかWeb StorageとかWebGLなんかは搭載したくない組込み機器も多いだろう。
主要メンバーはそうした考え方を否定し、あくまでフルセット仕様にこだわった。

そのうち、組込み機器向けのCPUやボードの性能が目覚しく進化し、組み込みにも使えるブラウザコア「Webkit」の登場もあり、「HTML5」がW3C勧告された今、フルセットで搭載することが大きな障害にならなくなってきたが、これは、私には見通せなかった未来だった。W3Cの方々の先見性があったということなのだろう。

さて、今回の勧告で何か変わることがあるかというと、実はほとんど何もない。

今回の勧告は、あくまで「ドラフトで指摘された仕様書のエラッタを反映し終えましたよ」という程度の意味しかない。
「HTML5」自体は、ドラフトの段階で、ブラウザベンダ各社でどんどん実装を進めながら、規格提案がなされてきた経緯があり、「HTML5」の機能を利用したサービスは、すでに当たり前のように使われているからだ。

ただ、「HTML5」の個々の新機能に対して、積極的なベンダ、消極的だったり反対だったりしたベンダもあり、立場はいろいろなので、各社のWebブラウザのHTML5の実装状況には、ばらつきがあったのは事実。
それが、今回の勧告で、各WebブラウザのHTML5への完全対応が進むだろうから、それに伴うブラウザ間の互換性向上が期待できるだろう。

「HTML5」に関しては、日本も慶応SFCが中心に、規格提案の一翼を担ってきたが、特に力を入れたのは、電子書籍フォーマットのePUB3に関わる仕様だったようで、特に、日本だと読み仮名の付記に使われる「るび」を表現するRUBYタグの定義などが、目立つ成果といえるかも。
逆に言えば、組込みブラウザでは世界的にも大手だったACCESS社や、大手家電メーカーは、W3Cにおいて主導的な立場で規格提案はできなかったというのが実情らしい。
ACCESS社などは、ブラウザエンジンの独自開発をあきらめ、今はWebkitを使うよう方向転換したことからも、その力の入れ具合がわかる。

こうして出来上がった「HTML5」だが、WebSocketやWebWalkerなどの広義の「HTML5」仕様も含めてみれば、もはやPresentation Engineの枠を超え、ハードウェア非依存のWebプログラミングができるApplication Engineと言える。
その地位はすでにJavaを凌駕しつつあるだろう。
Java OSが存在するように、HTML5をApplication PlatformとするFirefox OSが登場するに至ったのも頷ける話だ。

ちなみに、W3Cは、「HTML5」の次についてどう考えているのか調べてみると、これで終わりということではないらしく、「HTML5」では漏れた機能をフォローする形で「HTML5.1」の検討が進んでいるようだ。

W3Cが宣言: HTML5の標準規格は最終的に確定した - TechCrunch

相互運用性とは関係のない、デジタル著作権の管理などが規定され、来年早々にもリリースされる可能性があるらしい。
また、HTML5は、HTML4のように一度作った規格を長期間固定化して運用するのではなく、新たなニーズに対し必要な機能は、継続的に適宜追加されていくことになりそうだ。

特に、以前なら非常に消極的だったDRMやコンテンツ保護の仕組みに関しても、Encrypted Media Extensions APIなどを規定し、積極的に標準に取り込む姿勢が明確になりつつあり、今後は、有料サービスも含めた動画のストリーミングの配信方式も、HTML5ベースに統一され、どんな配信サービスも、Webブラウザが搭載されていれば見られるようになる可能性が高い。

果たして、HTML5が何年持って、いつ寿命を迎えるかは皆目見当つかないが、W3Cのスタンスを見れば、むしろアメーバのように徐々に成長していきながら、結構長く生き延びそうな気はするな。

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