
ついにシャープから直流家電が登場する! [白物家電]
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シャープが、直流(DC)で駆動する「直流エアコン」なる商品を開発しているという。
ついに来たか!
第6回「『直流給電』は効率的な電力利用の土台となるのか?」 - 技術・サービス最前線 - 日経スマートシティコンソーシアム
直流給電,省エネの切り札に - 日経エレクトロニクス - 日経テクノロジーオンライン
家庭用の家電機器を、直流(DC)で駆動するというコンセプトは、それほど新しいものではなく、話は出ては消えで、なかなか実現する様子がなかったのだが、ようやく本当に登場するらしい。
家電機器の中には、一般的に使われているコンセントからの交流(AC)給電より、直流(DC)給電した方が都合がいい商品も多い。
代表的な商品の例としては、パソコンがある。
通常のパソコンは、AC電源を一度DCに変換し、パソコン内の各パーツで必要な電圧に、DC/DCコンバータで変換して、電力を供給して動作している(ちなみに、詳しくは述べないが、DC/DC変換はAC/DC変換に比べて変換効率は圧倒的によい)。
ノートパソコンだと、ACアダプタでACをDCに変換している訳なので、もし、家庭のコンセントでDCを供給できれば、ACアダプタをすっ飛ばして、パソコンを動かすことができる。また、パソコンのACアダプタって、かなり発熱するが、すなわちACからDCに変換するとき、それだけロスがあって熱に代わっているのだから、直接DCで電力を供給できれば、その分、省エネにもなる。
一方で、電力会社から送られる電力はACだが、太陽光発電パネルから出てくる電力はDCであり、蓄電池もDCで蓄放電する。
こうしたDCの電力を、通常、パワーコンディショナー(PCS)という装置を使いACに変換して、家庭内の家電機器を動かしたり、電力会社に売電している。このPCSも、かなりの発熱をするし、変換のロスもある。
せっかく、家庭内にDCの発電装置も、DCで駆動する家電品もあるのに、それを直接結びつけて動作させることができず、エネルギーのロスが生じていたのだ。
DC給電が実現すればエネルギーのロスが減るのは間違いないが、もちろん普及は簡単ではない。
最大の問題は、DC給電のコンセント規格が簡単に決められないことだろう。
それは、パソコンのACアダプタの接続インタフェースの電圧が、パソコンによってばらばらであることからも容易に想像できる。
DC給電の家電が、何種類かの電圧、電流容量でカテゴライズできればいいのだが、なかなか簡単にはいきそうにない。
PVJapan2015:シャープの「直流エアコン」2015年内発売へ、カギは蓄電池と室外機のDC接続 (1/2) - スマートジャパン
今回、シャープが発表した「直流エアコン」は、組み合わせる太陽光発電パネル、蓄電池、PCS、住宅エネルギー管理システム(HEMS)などの構成要素を、自社で閉じて構成することで、エアコンのDC駆動を実現するらしい。早く発売するには、まず妥当な戦略だろう。
シャープでは、これを「DCエアコンハイブリッドシステム」と呼び、まず対応エアコンを年内に発売し、エアコン以外へも対応機器を広げていく予定らしい。
「直流エアコン」では、DC駆動することで、従来に比べ、約5%の電力ロスを削減できるらしいが、これを「たった5%」と見るべきではない。
エアコンの省エネ性能は、すでに極限まで進んでおり、そこから5%も減るというのは、ダイキン特許の新冷媒R32以来の大きなブレークスルーだ。
また、今回のエアコンの場合、DC駆動できるのはDCモーターを搭載する室外機のみで、室内機は従来通りAC駆動であるのも、電力削減効果を減らす原因かもしれない。
さらに、室外機はDCでもACでも駆動できるようになっていて、室外機は、太陽光発電から蓄電した電力で動作させる場合はDCで駆動し、電力会社から供給する電力で動作させる必要がある状態では、ACで駆動する。
HEMSコントローラは、で、給電状態を監視しながら、エアコンに対するAC/DC給電を適切に切り替える仕組みになっている。
さて、家電機器には、コンピュータやDCモーター搭載機器のように、DC駆動の方が都合がいい製品もあれば、ACモーター搭載機器や、電子レンジなどのようにAC駆動の方が都合がいい製品もある。
さらに言えば、一つの製品の中にも、AC駆動とDC駆動が混在しているケースも多い。電子レンジのマグネトロンはAC給電が都合がいいが、内蔵のマイコンはDC駆動だし、オーブンレンジのヒーターはDC駆動/AC駆動両方ありそうだ。
だから、トータルで、DC給電した方がいいのか、AC給電した方がいいのかは、製品の機能と構成次第で、簡単に決められることではないのだ。
ただ、電気ヒーターは、AC/DCどちらでも駆動可能のことが多いし、最近の省エネ機器はDCモーターを採用している製品が多く、こうしたDCモーター搭載製品も、DC駆動した方が効率がいいはずだ。
シャープは、今後、「直流家電」のラインアップを拡充していく方針だそうだが、容易に思いつくのは、DCモーター扇風機。モーターもマイコンもDCだから、DC駆動しない理由がない。
LED照明も、部品としてのLEDは大抵DC駆動だから、当然商品化されるだろう。
省エネな高級冷蔵庫も、高級洗濯乾燥機も、高級掃除機も、DCモーターの製品が多いだろうから、これらもDC駆動の製品が出てくるに違いない。
さらには、EV/PHVへの給電もDCなので、太陽光発電や蓄電池からロスなく車の充電ができるようになるだろう。
家庭内給電の直流化は、簡単に進みそうにない茨の道ではあるが、それでも一歩踏み出したシャープの勇気には拍手したいな。
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ネットワーク白物家電は成功するか?:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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シャープが、直流(DC)で駆動する「直流エアコン」なる商品を開発しているという。
ついに来たか!
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家庭用の家電機器を、直流(DC)で駆動するというコンセプトは、それほど新しいものではなく、話は出ては消えで、なかなか実現する様子がなかったのだが、ようやく本当に登場するらしい。
家電機器の中には、一般的に使われているコンセントからの交流(AC)給電より、直流(DC)給電した方が都合がいい商品も多い。
代表的な商品の例としては、パソコンがある。
通常のパソコンは、AC電源を一度DCに変換し、パソコン内の各パーツで必要な電圧に、DC/DCコンバータで変換して、電力を供給して動作している(ちなみに、詳しくは述べないが、DC/DC変換はAC/DC変換に比べて変換効率は圧倒的によい)。
ノートパソコンだと、ACアダプタでACをDCに変換している訳なので、もし、家庭のコンセントでDCを供給できれば、ACアダプタをすっ飛ばして、パソコンを動かすことができる。また、パソコンのACアダプタって、かなり発熱するが、すなわちACからDCに変換するとき、それだけロスがあって熱に代わっているのだから、直接DCで電力を供給できれば、その分、省エネにもなる。
一方で、電力会社から送られる電力はACだが、太陽光発電パネルから出てくる電力はDCであり、蓄電池もDCで蓄放電する。
こうしたDCの電力を、通常、パワーコンディショナー(PCS)という装置を使いACに変換して、家庭内の家電機器を動かしたり、電力会社に売電している。このPCSも、かなりの発熱をするし、変換のロスもある。
せっかく、家庭内にDCの発電装置も、DCで駆動する家電品もあるのに、それを直接結びつけて動作させることができず、エネルギーのロスが生じていたのだ。
DC給電が実現すればエネルギーのロスが減るのは間違いないが、もちろん普及は簡単ではない。
最大の問題は、DC給電のコンセント規格が簡単に決められないことだろう。
それは、パソコンのACアダプタの接続インタフェースの電圧が、パソコンによってばらばらであることからも容易に想像できる。
DC給電の家電が、何種類かの電圧、電流容量でカテゴライズできればいいのだが、なかなか簡単にはいきそうにない。
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今回、シャープが発表した「直流エアコン」は、組み合わせる太陽光発電パネル、蓄電池、PCS、住宅エネルギー管理システム(HEMS)などの構成要素を、自社で閉じて構成することで、エアコンのDC駆動を実現するらしい。早く発売するには、まず妥当な戦略だろう。
シャープでは、これを「DCエアコンハイブリッドシステム」と呼び、まず対応エアコンを年内に発売し、エアコン以外へも対応機器を広げていく予定らしい。
「直流エアコン」では、DC駆動することで、従来に比べ、約5%の電力ロスを削減できるらしいが、これを「たった5%」と見るべきではない。
エアコンの省エネ性能は、すでに極限まで進んでおり、そこから5%も減るというのは、ダイキン特許の新冷媒R32以来の大きなブレークスルーだ。
また、今回のエアコンの場合、DC駆動できるのはDCモーターを搭載する室外機のみで、室内機は従来通りAC駆動であるのも、電力削減効果を減らす原因かもしれない。
さらに、室外機はDCでもACでも駆動できるようになっていて、室外機は、太陽光発電から蓄電した電力で動作させる場合はDCで駆動し、電力会社から供給する電力で動作させる必要がある状態では、ACで駆動する。
HEMSコントローラは、で、給電状態を監視しながら、エアコンに対するAC/DC給電を適切に切り替える仕組みになっている。
さて、家電機器には、コンピュータやDCモーター搭載機器のように、DC駆動の方が都合がいい製品もあれば、ACモーター搭載機器や、電子レンジなどのようにAC駆動の方が都合がいい製品もある。
さらに言えば、一つの製品の中にも、AC駆動とDC駆動が混在しているケースも多い。電子レンジのマグネトロンはAC給電が都合がいいが、内蔵のマイコンはDC駆動だし、オーブンレンジのヒーターはDC駆動/AC駆動両方ありそうだ。
だから、トータルで、DC給電した方がいいのか、AC給電した方がいいのかは、製品の機能と構成次第で、簡単に決められることではないのだ。
ただ、電気ヒーターは、AC/DCどちらでも駆動可能のことが多いし、最近の省エネ機器はDCモーターを採用している製品が多く、こうしたDCモーター搭載製品も、DC駆動した方が効率がいいはずだ。
シャープは、今後、「直流家電」のラインアップを拡充していく方針だそうだが、容易に思いつくのは、DCモーター扇風機。モーターもマイコンもDCだから、DC駆動しない理由がない。
LED照明も、部品としてのLEDは大抵DC駆動だから、当然商品化されるだろう。
省エネな高級冷蔵庫も、高級洗濯乾燥機も、高級掃除機も、DCモーターの製品が多いだろうから、これらもDC駆動の製品が出てくるに違いない。
さらには、EV/PHVへの給電もDCなので、太陽光発電や蓄電池からロスなく車の充電ができるようになるだろう。
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