次世代素材「LIMEX」の将来性 [デバイス・素材]
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価格.com - 「カンブリア宮殿 ~放送500回SP 暮らしを変えるサムライたち~」2016年8月4日(木)放送内容 | テレビ紹介情報
少し前になるが、2016年8月4日(木)の「カンブリア宮殿 ~放送500回SP」(テレビ東京)で紹介された「LIMEX」という素材と、それを実用化しようと頑張る株式会社TBMの山﨑敦義社長の姿勢に、いたく感心してしまった。
LIMEX / ライメックスとは | 次世代素材LIMEX 株式会社TBM
「LIMEX」は、紙、または、樹脂の代用素材で、石灰石約0.6t~0.8tと、ポリオレフィン樹脂約0.2tから、1tの「LIMEX」の紙を作ることができるそうです。
こうした石灰石をベースにしたストーンペーパーは、「LIMEX」以前にもあったらしいのですが、紙の厚みや品質のムラが解消できなかったり、既存の印刷機では印刷ができないなど、制約も多く、山﨑社長も、最初は台湾からの輸入でビジネスを始めたものの、なかなかうまくいかず、自ら理想のストーンペーパー「LIMEX」を開発するに至ったそうだ。
パルプ紙を1t作るのに、約20本の樹木を使用し、しかも、約100tもの水を必要とするそうです。これにより、熱帯雨林が伐採され、水資源も浪費され、環境が破壊される大きな原因とも言われている。
「LIMEX」は、世界中で埋蔵量が多く、日本でも100%自給自足できる石灰石が主原料であり、木も水も全く使わず、リサイクル効率も高いということで、パルプ紙に比べ非常に環境負荷が小さいのが特徴。
素性は非常にいいのだが、現実に手に入るストーンペーパーの質が非常に低く、価格も高いので、ビジネスにならない。
そこで、自ら開発に乗り出したらしいのだが、山﨑社長自身は完全な素人だったので、元日本製紙の紙の神様とも呼ばれる「角祐一郎氏」に日参し相談した。
氏の後押ししてもらったことで、優秀な研究人材が集まり始め、事業の具体化が進展し始める。
製紙業界の第一人者のお墨付きをもらったのが大きかったのだろう、2013年2月には、経済産業省の「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」選ばれ、2015年2月には、宮城県白石市に年産6,000トンのパイロットプラントを建設。
2015年11月には、経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)」に選ばれて、宮城県多賀城市に量産工場を設置することが決まっている。
「LIMEX」は、従来のストーンペーパーに比べ、軽く、安く、高品質で、耐水性が高く、経年劣化にも強く、半永久的にリサイクル可能というメリットがある。もちろん、まだ、重量やコスト面で、気軽に普通紙を代替できるところまでは至っていないが、ロードマップとして、数年のうちには達成できる見込みだという。
それだけでなく、プラスチックの代替としても使え、石油由来の素材を1/5程度の削減でき、リサイクルも容易なため、環境負荷を削減できる上に、容器包装リサイクル法のリサイクル委託金の対象外であり、利用する側のコスト負担も減らせる。
現在のところ、「LIMEX」の用途は、2015年のミラノ国際博覧会日本館内で使用された「LIMEX」製の紙バックやポスターなどが好評を博した実績はあるが、現状商品として購入できるのは「名刺」に限られる。
現状「名刺」にしか使われていないが、単に生産量の問題なのか、品質上の問題なのか、株式会社TBMでは、明確な説明をしていないので、何とも分からない。
この辺は気掛かりといえば気掛かりなのだが、今後、既存の白石工場と、新たに建設中の多賀城工場で、最終製品のラインナップ(食品・包装容器、包装資材、粘着ラベル、POP広告、交通広告、デジタル印刷、紙容器、壁紙、外壁、オムツ、マルチシートや肥料袋などの農業資材、絶縁体、本・カタログ、半導体基板、人工皮革、シーツなど)を拡充させていく予定だそうだ。
「LIMEX」が、本当に普通紙やプラスチックの代替素材として、低コストで使えるようになるとしたら、これはとんでもない革命的出来事であり、まさに世界を変えると思う。
日本でも、製紙のために莫大な木材を輸入する必要がなくなり、大半の素材を国内で調達できるようになる。
「LIMEX」の生産が、普通紙を代替できるようになれば、下手をすると、中途半端な製紙会社は、軒並み潰れるかもしれない。
ただ、紙の代替素材とはいえ、トイレットペーパーにはならないし、おそらく新聞紙にもならないだろう。どの程度の分野の紙が、現実的に「LIMEX」に置き換えうるのか、といったあたりがもうちょっとクリアになると、投資家もさらに積極的になることだろう。
世界的に見ても、水の調達が困難な中東の砂漠地域でも、水資源がひっ迫している中国でも、「LIMEX」の製造は可能であり、コストと品質が、普通紙を代替できるレベルになりさえすれば、あっという間に世界中に普及が進むかもしれない。
大いに期待しながら見守りたいと思う。
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シャープが「MEMS-IGZOディスプレイ」を2017年に量産:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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少し前になるが、2016年8月4日(木)の「カンブリア宮殿 ~放送500回SP」(テレビ東京)で紹介された「LIMEX」という素材と、それを実用化しようと頑張る株式会社TBMの山﨑敦義社長の姿勢に、いたく感心してしまった。
LIMEX / ライメックスとは | 次世代素材LIMEX 株式会社TBM
「LIMEX」は、紙、または、樹脂の代用素材で、石灰石約0.6t~0.8tと、ポリオレフィン樹脂約0.2tから、1tの「LIMEX」の紙を作ることができるそうです。
こうした石灰石をベースにしたストーンペーパーは、「LIMEX」以前にもあったらしいのですが、紙の厚みや品質のムラが解消できなかったり、既存の印刷機では印刷ができないなど、制約も多く、山﨑社長も、最初は台湾からの輸入でビジネスを始めたものの、なかなかうまくいかず、自ら理想のストーンペーパー「LIMEX」を開発するに至ったそうだ。
パルプ紙を1t作るのに、約20本の樹木を使用し、しかも、約100tもの水を必要とするそうです。これにより、熱帯雨林が伐採され、水資源も浪費され、環境が破壊される大きな原因とも言われている。
「LIMEX」は、世界中で埋蔵量が多く、日本でも100%自給自足できる石灰石が主原料であり、木も水も全く使わず、リサイクル効率も高いということで、パルプ紙に比べ非常に環境負荷が小さいのが特徴。
素性は非常にいいのだが、現実に手に入るストーンペーパーの質が非常に低く、価格も高いので、ビジネスにならない。
そこで、自ら開発に乗り出したらしいのだが、山﨑社長自身は完全な素人だったので、元日本製紙の紙の神様とも呼ばれる「角祐一郎氏」に日参し相談した。
氏の後押ししてもらったことで、優秀な研究人材が集まり始め、事業の具体化が進展し始める。
製紙業界の第一人者のお墨付きをもらったのが大きかったのだろう、2013年2月には、経済産業省の「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」選ばれ、2015年2月には、宮城県白石市に年産6,000トンのパイロットプラントを建設。
2015年11月には、経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)」に選ばれて、宮城県多賀城市に量産工場を設置することが決まっている。
「LIMEX」は、従来のストーンペーパーに比べ、軽く、安く、高品質で、耐水性が高く、経年劣化にも強く、半永久的にリサイクル可能というメリットがある。もちろん、まだ、重量やコスト面で、気軽に普通紙を代替できるところまでは至っていないが、ロードマップとして、数年のうちには達成できる見込みだという。
それだけでなく、プラスチックの代替としても使え、石油由来の素材を1/5程度の削減でき、リサイクルも容易なため、環境負荷を削減できる上に、容器包装リサイクル法のリサイクル委託金の対象外であり、利用する側のコスト負担も減らせる。
現在のところ、「LIMEX」の用途は、2015年のミラノ国際博覧会日本館内で使用された「LIMEX」製の紙バックやポスターなどが好評を博した実績はあるが、現状商品として購入できるのは「名刺」に限られる。
現状「名刺」にしか使われていないが、単に生産量の問題なのか、品質上の問題なのか、株式会社TBMでは、明確な説明をしていないので、何とも分からない。
この辺は気掛かりといえば気掛かりなのだが、今後、既存の白石工場と、新たに建設中の多賀城工場で、最終製品のラインナップ(食品・包装容器、包装資材、粘着ラベル、POP広告、交通広告、デジタル印刷、紙容器、壁紙、外壁、オムツ、マルチシートや肥料袋などの農業資材、絶縁体、本・カタログ、半導体基板、人工皮革、シーツなど)を拡充させていく予定だそうだ。
「LIMEX」が、本当に普通紙やプラスチックの代替素材として、低コストで使えるようになるとしたら、これはとんでもない革命的出来事であり、まさに世界を変えると思う。
日本でも、製紙のために莫大な木材を輸入する必要がなくなり、大半の素材を国内で調達できるようになる。
「LIMEX」の生産が、普通紙を代替できるようになれば、下手をすると、中途半端な製紙会社は、軒並み潰れるかもしれない。
ただ、紙の代替素材とはいえ、トイレットペーパーにはならないし、おそらく新聞紙にもならないだろう。どの程度の分野の紙が、現実的に「LIMEX」に置き換えうるのか、といったあたりがもうちょっとクリアになると、投資家もさらに積極的になることだろう。
世界的に見ても、水の調達が困難な中東の砂漠地域でも、水資源がひっ迫している中国でも、「LIMEX」の製造は可能であり、コストと品質が、普通紙を代替できるレベルになりさえすれば、あっという間に世界中に普及が進むかもしれない。
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