SSブログ

軌道エレベーターの基礎実験が始まる [科学技術]

スポンサードリンク



こうのとり6号機 打ち上げ成功に関係者ら喜び | NHKニュース

12月9日に、国際宇宙ステーションに物資を届ける日本の宇宙輸送船「こうのとり」6号機の、H-IIBロケットによる打ち上げに成功したそうだ。
12月1日には、ISSへの補給任務を担ったプログレス補給船が、ソユーズロケットでの打ち上げに失敗していただけに、今回の成功に各国は胸をなでおろしていることだろう。

さて、ニュースで見たところによると、「こうのとり」6号機には、ISSの補給以外に、そこになかなか面白い実験装置が、2つ搭載されていることを知った。

20161213-OYT1I50026-L.jpg

宇宙エレベーターへ第一歩…実験衛星、ISSへ : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

「軌道エレベーター」(あるいは「宇宙エレベーター」)の基礎実験を行うための実験用超小型衛星が積まれているらしいのだ。

初めての方へ──宇宙エレベーター早わかり | 一般 | JSEA 一般社団法人 宇宙エレベーター協会

宇宙と地球をつなぐ「軌道エレベーター」の仕組みと技術的課題がよくわかるムービー - GIGAZINE

「軌道エレベーター」とは、宇宙にある静止衛星と、地上とを1本のケーブルでつないで、その上をエレベーターを走らせ、人や物資を運搬する未来技術で、私的には、アーサー・C・クラークが、1979年に出版した「楽園の泉」というSF小説で、その可能性について初めて知った。

ただ、その当時の技術では、実現性は全くないと思えたのだが、その一番の問題点が、地上と宇宙を繋ぐ極めて軽くて丈夫なケーブルが作れないことだったのだが、日本人が発見した「カーボンナノチューブ」により、このケーブルが作れる可能性があることから、一気に実現性が高まっており、大手ゼネコンの大林組が大学などと共同研究を進めて、2050年の完成を目指している。

もちろん、このような「軌道エレベーター」は、例え技術的に実現可能になったとしても、テロリズムの攻撃対象となってしまうようなことでもあれば、甚大な被害を生み出しかねない存在でもあり、世界が平和でないと建設しえないものだと思う。

とはいえ、「軌道エレベーター」は、ロケットに比べると、強い加速度で地上から離脱する必要がなく、人体に対する負荷を掛けることなく、宇宙との往来ができるメリットがある。

単に人が気軽に宇宙に行けるというだけでなく、宇宙で発電した電力を地上に伝送したり、地上の核廃棄物を宇宙の彼方に捨てる、なんて使い方もできるかもしれない未来の技術であり、トライする価値はあると思うのだ。

今回、「こうのとり」に搭載された実験用超小型衛星は、静岡大の山極芳樹教授らのグループが作製したもので、宇宙から地上に向けて、宇宙エレベーターのケーブルがまっすぐに伸展するかを確認するそうだ。

さらに、宇宙でのケーブルの挙動や摩擦など、基礎データを取得するという。

まだまだ、第一歩でしかないが、それでも本気で実現するための実験が始まったことにワクワクするな。

-1x-1.jpg

JAXA、宇宙ゴミを漁網技術で掃除、伝統応用し世界初の実証実験へ - Bloomberg

「こうのとり」6号機が搭載しているもう一つの面白い装置が、JAXAが開発した「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」を除去するための実証実験装置「KITE(カイト)」だ。
テザーと呼ばれる電気を通すひもを、デブリに取り付けると、地球周回軌道を回るうちにテザーが電気を帯び、それがローレンツ力というブレーキになり、デブリは少しずつ高度を下げて大気圏に突入し燃え尽きることで、デブリの安全な処理が行えるという。

この要求仕様を満たすテザーを世界のどこの国も作れなかったのだが、JAXAが漁業網メーカー日東製網の協力を得て、アルミとステンレスなどの素材を、結び目のない無結節網という技術で実現したのだそうだ。

今回の実験では、使用後の「こうのとり」をデブリに見立てて、テザーを伸ばし、理論通りの動作をするかを、世界で初めて宇宙軌道上で実験するという。

こちらの技術も大変重要なものであり、是非とも成功して欲しいな。

関連記事:
清水建設の深海未来都市構想:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

軌道エレベーター [ 石原藤夫 ]
価格:691円(税込、送料無料) (2016/12/18時点)



ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ



スポンサードリンク




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。