量子コンピュータって実用になるんだ [科学技術]
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わかりやすい量子コンピュータ - NAVER まとめ
量子コンピュータについては、従来のシリコンチップベースのコンピュータに代わる新たなコンピュータアーキテクチャであり、量子力学的な原理を利用して、量子ビットで1ビットの情報を扱う「量子ゲート」を実現し、それをベースに量子計算機を構築したものだそうだ。
1990年代にその原理が発表されたが、2000年代に入り、様々な方法による実装に、実験レベルでは成功したことまでは知っていたが、実用化という意味ではまだまだ先の技術だと思っていた。
D-Wave、”GeForce GTX 1080比で1万倍高速“な量子コンピュータ「D-Wave 2000Q」 ~量子ビット数が前製品から2倍に - PC Watch
それが、1月24日、カナダD-Wave Systemsから、量子コンピュータ「D-Wave 2000Q」の商用利用提供開始が発表されたというニュースに驚いた。
この分野は不勉強で全く知らなかったのだが、D-Waveは量子ゲートによるコンピュータではなく、「量子アニーリングによる最適化計算に特化した専用計算機」とのことで、利用分野が限定された計算機ではあるものの、それでも今の時期に商品化できたのはびっくりだ。
今回発表されたD-Wave 2000Qでは、量子ビット数2,048-qubitというかつてない規模を達成。
また、今回新たに搭載された「アニールオフセット制御機能」により、個々の量子ビットのアニーリングを調整することが可能となり、因数分解などの特定問題が、従来より1,000倍以上高速に計算が可能になったという。
詳しいことは分からないが、「ベンチマークテストでは、最新のサーバーで実行される高度なアルゴリズムを、従来の単体CPUと2,500コアのGPUと比較して、1千~1万倍高速に処理できたという。量子モンテカルロ法を用いた比較では、GeForce GTX 1080比で1万倍高速であるとする。」とのこと。
また、D-Wave 2000Qが得意とする問題解決においては、電力効率も100倍ということで、省電力でもある。
なので、既存のGPUベースのスパコンに比べて、特定問題においては抜群の性能を発揮するらしいので、現時点でも商品としてペイするニーズがあるのだろう。
ただ、量子コンピュータのCPUにあたる「QPU」というチップは、マイコン並みに小さなものらしいのだが、その量子力学的な安定性を確保する周りの環境を維持するのが、実は大変らしい。
D-Wave 2000Qシステムの筐体は約213.36×304.8×304.8cm(幅×奥行き×高さ)という、小型メインフレーム並みの大きさなのだが、そのほとんどは、QPUを格納するエンクロージャと制御のためのサブシステムが占めているそうで、QPUを安定動作させるために、絶対零度に近い0.015Kの極低温(-273°C)で、大気圧の100億分の1の超真空空間、地球の5万分の1にあたる1ナノテスラにまで磁気の影響を防ぐシールドを備えたエンクロージャになっているというから凄い。
消費電力の大半は、QPUそのものよりは、これらの周りの環境を維持するために必要となっているようだ。
逆に言えば、QPUの技術が進歩し、動作環境が今より緩和されれば、今より消費電力も大幅に下がるし、筐体サイズもどんどん小さくなっていくに違いない。
NASA、Googleが注目する「D-Wave」は、本当に量子コンピューターなのか?|WIRED.jp
正直、技術的な詳細は、私も不勉強で分かってはいないので、状況的判断しかできないのだが、NASAやGoogleもD-Waveの技術に注目しているようだし、D-Wave 2000Qは、実際に、米国のセキュリティ企業Temporal Defense Systems(TDS)という具体的な顧客があり、約17億円で実際に納品されたそうなので、高価でも確実に特定分野のニーズもあるということだろう。
量子コンピュータは、AI技術で注目を集めるディープラーニングとの相性もいいことが分かっているようで、こうした分野でも今後重宝されそう。Googleも、その点で注目しているのだろう。
個人的にもこの技術には興味があるので、引き続き注目し、勉強もしていきたいと思う。
関連記事:
ノーベル賞で喜ばしかったことと残念だったこと:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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量子コンピュータについては、従来のシリコンチップベースのコンピュータに代わる新たなコンピュータアーキテクチャであり、量子力学的な原理を利用して、量子ビットで1ビットの情報を扱う「量子ゲート」を実現し、それをベースに量子計算機を構築したものだそうだ。
1990年代にその原理が発表されたが、2000年代に入り、様々な方法による実装に、実験レベルでは成功したことまでは知っていたが、実用化という意味ではまだまだ先の技術だと思っていた。
D-Wave、”GeForce GTX 1080比で1万倍高速“な量子コンピュータ「D-Wave 2000Q」 ~量子ビット数が前製品から2倍に - PC Watch
それが、1月24日、カナダD-Wave Systemsから、量子コンピュータ「D-Wave 2000Q」の商用利用提供開始が発表されたというニュースに驚いた。
この分野は不勉強で全く知らなかったのだが、D-Waveは量子ゲートによるコンピュータではなく、「量子アニーリングによる最適化計算に特化した専用計算機」とのことで、利用分野が限定された計算機ではあるものの、それでも今の時期に商品化できたのはびっくりだ。
今回発表されたD-Wave 2000Qでは、量子ビット数2,048-qubitというかつてない規模を達成。
また、今回新たに搭載された「アニールオフセット制御機能」により、個々の量子ビットのアニーリングを調整することが可能となり、因数分解などの特定問題が、従来より1,000倍以上高速に計算が可能になったという。
詳しいことは分からないが、「ベンチマークテストでは、最新のサーバーで実行される高度なアルゴリズムを、従来の単体CPUと2,500コアのGPUと比較して、1千~1万倍高速に処理できたという。量子モンテカルロ法を用いた比較では、GeForce GTX 1080比で1万倍高速であるとする。」とのこと。
また、D-Wave 2000Qが得意とする問題解決においては、電力効率も100倍ということで、省電力でもある。
なので、既存のGPUベースのスパコンに比べて、特定問題においては抜群の性能を発揮するらしいので、現時点でも商品としてペイするニーズがあるのだろう。
ただ、量子コンピュータのCPUにあたる「QPU」というチップは、マイコン並みに小さなものらしいのだが、その量子力学的な安定性を確保する周りの環境を維持するのが、実は大変らしい。
D-Wave 2000Qシステムの筐体は約213.36×304.8×304.8cm(幅×奥行き×高さ)という、小型メインフレーム並みの大きさなのだが、そのほとんどは、QPUを格納するエンクロージャと制御のためのサブシステムが占めているそうで、QPUを安定動作させるために、絶対零度に近い0.015Kの極低温(-273°C)で、大気圧の100億分の1の超真空空間、地球の5万分の1にあたる1ナノテスラにまで磁気の影響を防ぐシールドを備えたエンクロージャになっているというから凄い。
消費電力の大半は、QPUそのものよりは、これらの周りの環境を維持するために必要となっているようだ。
逆に言えば、QPUの技術が進歩し、動作環境が今より緩和されれば、今より消費電力も大幅に下がるし、筐体サイズもどんどん小さくなっていくに違いない。
NASA、Googleが注目する「D-Wave」は、本当に量子コンピューターなのか?|WIRED.jp
正直、技術的な詳細は、私も不勉強で分かってはいないので、状況的判断しかできないのだが、NASAやGoogleもD-Waveの技術に注目しているようだし、D-Wave 2000Qは、実際に、米国のセキュリティ企業Temporal Defense Systems(TDS)という具体的な顧客があり、約17億円で実際に納品されたそうなので、高価でも確実に特定分野のニーズもあるということだろう。
量子コンピュータは、AI技術で注目を集めるディープラーニングとの相性もいいことが分かっているようで、こうした分野でも今後重宝されそう。Googleも、その点で注目しているのだろう。
個人的にもこの技術には興味があるので、引き続き注目し、勉強もしていきたいと思う。
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解りやすい解説ありがとう御座います。
新しい情報があれば引き続きご紹介をお願いします。
by LargeKzOh (2017-01-27 09:51)
解りやすい解説ありがとうございます。
引き続きフォロー戴ければ素人には大変勉強になります。
by LargeKzOh (2017-01-27 09:53)