ハイレゾ対応カーオーディオって何の意味があるのだろう？

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今年に入ってから、各社から、ハイレゾ対応のカーオーディオ／カーナビが続々登場しているが、正直、何の意味があるのだろう？と思ってしまう。

ハイレゾ対応ポータブルオーディオさえ、屋外の雑踏の中では、外のノイズが多すぎて、本領を発揮するのは不可能だと思うのに、ましてや、エンジンノイズやロードノイズだらけの車内で、果たして、ハイレゾ音源と非ハイレゾ音源の差が分かるのだろうか。

ポータブルオーディオの場合、静かな室内で、密閉型ヘッドホンを使えば、外の雑音をほぼ遮断できるので、その限りにおいては、ハイレゾ音源の真価を聞き分けられるかもしれない。

しかし、カーオーディオの場合、車の車内は音の障害物が多すぎて、そもそもオーディオ再生に適した形状をしていない。
だから、パイオニアの高級カーナビ／カーオーディオなんかでは、何人どこの座席に人が座るのかを指定した後、10分ほど様々なテスト音を出し、それを専用マイクで拾って、イコライジングや音場補正を行うことができる。
そして、実際これを行うと、耳に届く音質が著しく改善されるのも事実なのだ。

そうして、DSPによる補正してようやくまともな音になっている劣悪な環境で、たとえエンジンを止めた状態でも、ハイレゾ音源の真価が発揮できるとは到底思えないのだ。

それでも各社がやってくる理由としては、

・ハイレゾ対応がちょっとしたブームになっているから
・新機能として他にやることがないから
・他社がやってきたら、対抗せざるを得ないから
・ほとんどコストアップにならずに、セールスポイントが一つ作れるから
・家にある音源ファイルを何も気にせず車でも聴けるようにしたいから

というぐらいか。まともな理由は、最後のものだけだが。

パソコンで購入した音源が、たまたまハイレゾ音源だった時に、それを車で聴きたければ、非ハイレゾの音源ファイルに変換させることが必要というのは、確かに面倒だ。

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そういえば、パナソニックから、Blu-rayが再生できるカーナビが出ているが、これについても、小さな画面で振動が多い車内でフルHDの画質が必要とは思わないし、私自身は、そもそも停車時しか見られない機能なのに、そこまでお金を掛ける意味が分からない。
しかし、家族で見たい映画をBlu-rayでしか持っていなければ、それを車で観たくても、車載機が対応していなければ、見る方法がないのは確か。
なので、たとえ再生画質が大したことがなくても、メディアとしてBlu-rayが再生できることが必要だと思う消費者はいるのだろう。

同様に、カーオーディオについても、一部のユーザーにとっては、ハイレゾ音源かどうかなど気にせず、とりあえずメモリカードに入れて、カーオーディオに挿せばとりあえず音が出る、というのは必要なことなのかもしれない。

こうしたハイレゾ対応製品を買う方も、音質に対して過大な期待をしないで、「家にハイレオゾ音源を持っているか、そして、その音源を車で聴きたいことがあるか」という観点で、商品選びをした方がいいと思う。

ところで、各社のニュースリリースの中で、一番興味深いのが、ケンウッド。
タイトルや要約では、「FLAC形式のファイルの再生ができる」としか書いていないのに、詳細を読んでいくと実は96kHz/24bitまでのハイレゾ音源の再生に対応していることが分かる。
おそらく老舗のオーディオメーカーとしての矜持があり、劣悪な車内環境で、堂々とハイレゾ再生ができると謳うのははばかられたのだろう。
思わずニヤリとしてしまったな。

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