「楽天Link」アプリとは何なのか? [携帯キャリア]
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楽天モバイルのMNOサービスでは、通話やSMSが無料で使い放題なのだが、その大前提として、通話やSMSを、Android標準のアプリではなく、独自の「楽天Link」アプリを使うことが必要となっている。
最初は、通話やSMSをタダにするために、アプリに広告でも表示するのかと思ったら、そうではないみたい。
なので、この「楽天Link」アプリとは、なんだろう? なんで無料になるのだろう?というのが気になって、調べてみた。
調べてみたら、なぜ「Rakuten UN-LIMIT」で使えるスマホが非常に限られるのかも、おぼろげながら分かってきた。
楽天モバイルの「楽天Link」は単なるダイヤルアプリではない、Wi-Fi経由でも通話できる理由は? | elibom(エリボム)
通常、携帯電話に付与された番号による通話やSMSというと、キャリア網に接続しないと使えない。ところが、「Rakuten UN-LIMIT」で「楽天Link」アプリを使うと、ローミング先のau回線でも、さらには、Wi-Fi接続でも、無料で使えるという。
第680回:Wi-Fi Calling とは - ケータイ Watch Watch
そのために、RCSという4Gの標準規格のWi-Fi Callingなどの機能を使っているらしい。
このRCSというサービスは、米国のT-MobileやSprintでは実現されているが、日本では楽天モバイルが初となる。
イメージ的には、キャリア側で通話やSMSサーバが仮想化されていて、端末の通話やSMSを行うアプリ(楽天Linkなど)が、網によらずキャリア側の仮想サーバに、VPN接続するようなイメージみたい。
だから、網の形態を選ばず接続できるし、楽天がau網を使っても、au側から通話やSMSの課金はされない。
その代わり、例えばWi-Fi Callingの通話であれば、約0.24MB/30秒のデータ通信の容量を消費するという。
楽天モバイルで、au網で通話をしたとしたら、2GBのデータ容量から、通話のたびに、このデータ容量が減り続けることになる。
じゃあ、2GBのデータ容量を使い果たしたら、通話ができなくなるのかというと、そうではないのが面白いところ。
先ほど書いた通話の約0.24MB/30秒のデータ容量を、ビットレートに換算すると66Kbps。
楽天モバイルで速度制限がかかった時の通信速度は128Kbpsだから、通話やSMSだけであれば、速度制限状態でも問題なく利用できるようなのだ。
まとめると、「Rakuten UN-LIMIT」は、RCSにより、通話とSMSを通常のデータ通信に押し込んでいるため、データの使い放題と併せて、通話とSMSも無料で提供することができるようだ。
さて、ここで何となくわかってきたのが、楽天モバイルMNOサービスで使えるスマートフォンの種類が限られる理由だ。
前回、楽天モバイルMNOサービスで、一般的なSIMフリースマホが使えないことに対し、楽天ともあろうものが、なんでそんなガラパゴス仕様にしたのだ!と怒ってしまったが、まず、これは誤りであったことをお詫びし訂正しておきたい。
RCSのサービスは、4Gの中ではオプション的な規格で、必ず実装しなければならないものではなく、モバイルキャリアがサービスを開始するなら、そのサービスに対応したい端末メーカーが実装する、といった性格のものらしい。
では、なぜ、楽天モバイルMNOで、一般のAndroid端末が使えないのかを想像してみる。
RCSは、これまで、北米ではサービスが提供されているので、一応、Androidのグローバル端末や、iPhoneでもRCSを実装しているらしい。
しかし、それは、北米で実施されていRCSの一形態が実装されているに過ぎず、今回楽天が採用したRCSでは、規格としては許されているが、北米向けでは実装されいない機能やパラメータを使用していたか、規格上は許されているが北米では使っていなかったプロトコル手順を楽天モバイルで使ってみたら、Androidで実装済みのRCSのOSSプロトコルがバグっていた、といった状況など想像できる。
楽天モバイル:楽天回線への移行について
そのことは、楽天が試験サービスを開始した2019年10月以降に発売された、楽天が推奨する端末は最初からサービスに対応しているのは当然として、それ以前に発売されていた端末でも、ソフトウェア・アップデートで対応されたものがいくつもあることから分かる。
こうしたSIMフリー機で、更新を行う内容は、特定キャリア向け特殊スペックに対して行うことはまれであり、たとえ、それが特定のキャリアでの問題を対策したものであっても、基本、4Gの国際規格に含まれる更新内容しか対応してくれないものなのだ。
楽天モバイルで、過去の機種も続々対応しているところを見ると、おそらく、対策がRCSに関するOSSのバグパッチを当てるだけで済んでいるから、他への影響も少ないため、比較的容易にソフトウェアの更新が提供できているのだと思われる。
基本、他のスマホでも同じパッチを当てれば、楽天モバイルで使えるかもしれないが、元々楽天モバイルで売られてない端末のメーカーが、お金を掛けてやる義理もない。
今後も、楽天モバイルのユーザーが増えれば、どこの端末メーカーも、手間をかけてでも、楽天モバイルで使えるようにすると思うが、現時点で、楽天モバイルで使えなくても痛くもかゆくもないだろうから、興味がないメーカーも多いだろう。
実際、楽天モバイルにiPhoneが対応できなかったのは、「楽天Link」アプリがないから、とまことしやかに言われているが、それよりは、世界一のスマホ企業アップルが、加入者がまだゼロに近い将来性も見えないモバイルキャリアのために、手間をかけてソフトウェアの更新を行う気がないということだと思う。
さらに言えば、iPhoneの場合、通話やSMSに関しては、Androidと違いサードベンダーアプリを許しておらず、北米キャリアのRCSも、アップル純正の通話、SMSアプリで対応している。
日本で楽天モバイルのRCSに対応する場合も、アップルとしては、「楽天Link」アプリのような独立した新アプリの形態を許すはずがなく、既存の通話、SMSアプリを、アップルに改良してもらうしかない。これは、Android端末よりさらに障壁は高い。
ここまで来て、ようやくなぜ楽天モバイルMNOで、大半のAndroidスマホが使えず、iPhoneも対応しないのかが、わかってきたかと思う。
一応、楽天モバイルとしては、4G規格に準拠したサービスをやっているのは間違いないから、Android端末については、AndroidのSDKにはパッチが含められ、今後出てくる製品では、楽天モバイルMNO網に対応した製品は増えてきそうだ。
ただ、アップルは、楽天モバイルのユーザー数がさらに増えて影響力が増さないと、なかなか対応してくれないだろうな。
関連記事:
「Rakuten UN-LIMIT」をどう使えばお得か?:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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楽天モバイルのMNOサービスでは、通話やSMSが無料で使い放題なのだが、その大前提として、通話やSMSを、Android標準のアプリではなく、独自の「楽天Link」アプリを使うことが必要となっている。
最初は、通話やSMSをタダにするために、アプリに広告でも表示するのかと思ったら、そうではないみたい。
なので、この「楽天Link」アプリとは、なんだろう? なんで無料になるのだろう?というのが気になって、調べてみた。
調べてみたら、なぜ「Rakuten UN-LIMIT」で使えるスマホが非常に限られるのかも、おぼろげながら分かってきた。
楽天モバイルの「楽天Link」は単なるダイヤルアプリではない、Wi-Fi経由でも通話できる理由は? | elibom(エリボム)
通常、携帯電話に付与された番号による通話やSMSというと、キャリア網に接続しないと使えない。ところが、「Rakuten UN-LIMIT」で「楽天Link」アプリを使うと、ローミング先のau回線でも、さらには、Wi-Fi接続でも、無料で使えるという。
第680回:Wi-Fi Calling とは - ケータイ Watch Watch
そのために、RCSという4Gの標準規格のWi-Fi Callingなどの機能を使っているらしい。
このRCSというサービスは、米国のT-MobileやSprintでは実現されているが、日本では楽天モバイルが初となる。
イメージ的には、キャリア側で通話やSMSサーバが仮想化されていて、端末の通話やSMSを行うアプリ(楽天Linkなど)が、網によらずキャリア側の仮想サーバに、VPN接続するようなイメージみたい。
だから、網の形態を選ばず接続できるし、楽天がau網を使っても、au側から通話やSMSの課金はされない。
その代わり、例えばWi-Fi Callingの通話であれば、約0.24MB/30秒のデータ通信の容量を消費するという。
楽天モバイルで、au網で通話をしたとしたら、2GBのデータ容量から、通話のたびに、このデータ容量が減り続けることになる。
じゃあ、2GBのデータ容量を使い果たしたら、通話ができなくなるのかというと、そうではないのが面白いところ。
先ほど書いた通話の約0.24MB/30秒のデータ容量を、ビットレートに換算すると66Kbps。
楽天モバイルで速度制限がかかった時の通信速度は128Kbpsだから、通話やSMSだけであれば、速度制限状態でも問題なく利用できるようなのだ。
まとめると、「Rakuten UN-LIMIT」は、RCSにより、通話とSMSを通常のデータ通信に押し込んでいるため、データの使い放題と併せて、通話とSMSも無料で提供することができるようだ。
さて、ここで何となくわかってきたのが、楽天モバイルMNOサービスで使えるスマートフォンの種類が限られる理由だ。
前回、楽天モバイルMNOサービスで、一般的なSIMフリースマホが使えないことに対し、楽天ともあろうものが、なんでそんなガラパゴス仕様にしたのだ!と怒ってしまったが、まず、これは誤りであったことをお詫びし訂正しておきたい。
RCSのサービスは、4Gの中ではオプション的な規格で、必ず実装しなければならないものではなく、モバイルキャリアがサービスを開始するなら、そのサービスに対応したい端末メーカーが実装する、といった性格のものらしい。
では、なぜ、楽天モバイルMNOで、一般のAndroid端末が使えないのかを想像してみる。
RCSは、これまで、北米ではサービスが提供されているので、一応、Androidのグローバル端末や、iPhoneでもRCSを実装しているらしい。
しかし、それは、北米で実施されていRCSの一形態が実装されているに過ぎず、今回楽天が採用したRCSでは、規格としては許されているが、北米向けでは実装されいない機能やパラメータを使用していたか、規格上は許されているが北米では使っていなかったプロトコル手順を楽天モバイルで使ってみたら、Androidで実装済みのRCSのOSSプロトコルがバグっていた、といった状況など想像できる。
楽天モバイル:楽天回線への移行について
そのことは、楽天が試験サービスを開始した2019年10月以降に発売された、楽天が推奨する端末は最初からサービスに対応しているのは当然として、それ以前に発売されていた端末でも、ソフトウェア・アップデートで対応されたものがいくつもあることから分かる。
こうしたSIMフリー機で、更新を行う内容は、特定キャリア向け特殊スペックに対して行うことはまれであり、たとえ、それが特定のキャリアでの問題を対策したものであっても、基本、4Gの国際規格に含まれる更新内容しか対応してくれないものなのだ。
楽天モバイルで、過去の機種も続々対応しているところを見ると、おそらく、対策がRCSに関するOSSのバグパッチを当てるだけで済んでいるから、他への影響も少ないため、比較的容易にソフトウェアの更新が提供できているのだと思われる。
基本、他のスマホでも同じパッチを当てれば、楽天モバイルで使えるかもしれないが、元々楽天モバイルで売られてない端末のメーカーが、お金を掛けてやる義理もない。
今後も、楽天モバイルのユーザーが増えれば、どこの端末メーカーも、手間をかけてでも、楽天モバイルで使えるようにすると思うが、現時点で、楽天モバイルで使えなくても痛くもかゆくもないだろうから、興味がないメーカーも多いだろう。
実際、楽天モバイルにiPhoneが対応できなかったのは、「楽天Link」アプリがないから、とまことしやかに言われているが、それよりは、世界一のスマホ企業アップルが、加入者がまだゼロに近い将来性も見えないモバイルキャリアのために、手間をかけてソフトウェアの更新を行う気がないということだと思う。
さらに言えば、iPhoneの場合、通話やSMSに関しては、Androidと違いサードベンダーアプリを許しておらず、北米キャリアのRCSも、アップル純正の通話、SMSアプリで対応している。
日本で楽天モバイルのRCSに対応する場合も、アップルとしては、「楽天Link」アプリのような独立した新アプリの形態を許すはずがなく、既存の通話、SMSアプリを、アップルに改良してもらうしかない。これは、Android端末よりさらに障壁は高い。
ここまで来て、ようやくなぜ楽天モバイルMNOで、大半のAndroidスマホが使えず、iPhoneも対応しないのかが、わかってきたかと思う。
一応、楽天モバイルとしては、4G規格に準拠したサービスをやっているのは間違いないから、Android端末については、AndroidのSDKにはパッチが含められ、今後出てくる製品では、楽天モバイルMNO網に対応した製品は増えてきそうだ。
ただ、アップルは、楽天モバイルのユーザー数がさらに増えて影響力が増さないと、なかなか対応してくれないだろうな。
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楽天linkに関する詳細なレポートありがとうございました。
無料サポータープログラムに参加し、楽天linkを利用しているものとして電波は圏外でもWi-Fiで通話ができ、かつ番号も通知されるのはなぜ? と思ってましたが、この記事を読み、なるほど・・・と。
ただ、技術的なことはさておき、通話とsmsがセットで使えるというのは便利で、相手がLINEに入っていないと使えないLINE でのやりとりと違い、個人的には便利だと感じています。
4月以降、小生はそのまま楽天MNOにサブ回線で移行する予定ですが、楽天linkの使いやすさもその一因になっています。
by 桂 (2020-03-08 14:22)
桂さんの場合は、すでに格安で対応端末があるからいいですね。
今後は、Rakuten UN-LIMITはタダだけど、端末は全然安くないので、そこで元を取る気なんでしょう。
私的は、ヤフオクなどで安くで端末が買えないか調べています。
by naniwa48 (2020-03-08 23:17)