スパコン「富岳」が4期連続でランキング4冠となった意味とは [科学技術]
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「富岳」が3期連続でスパコン世界一に:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
半年前のスパコンランキングで、次回は、そろそろ理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」がトップから陥落するかもしれない、と書いた。
富岳が4期連続でスパコンランキング4冠 - PC Watch
ところが、少し前のニュースになるが、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」は、4期連続で4冠を達成したみたい。
2020年6月、2020年11月、2021年6月に続いて、2021年11月でも、4期連続で引き続き、世界のスーパーコンピュータに関するランキングである「TOP500」、「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、「HPL-AI」、「Graph500」のすべてにおいて、2位に大差をつけて1位を獲得したそうだ。
なかなかこうしたスパコンランキングにおいて、4期も連続でトップを守り続けるというのは、ほとんどない素晴らしい業績だ。
計測された「富岳」の性能は、3期連続で4冠を達成した2021年6月時点とすべて同じとのことで、結局、それを上回ると言われていた米国や中国の次世代100京級(エクサスケール)スパコンの稼働が遅れていて、今回も間に合わなかったようだ。
評価される成果 「スパコンのノーベル賞」候補にも 4連覇の富岳
稼働している「富岳」を使った研究からは、「スパコンのノーベル賞」の候補になりそうな成果も上がっていたり、新型コロナウィルスの感染状況の解析など、さまざまな解析やシミュレーションにも活用されていて、実用性の上で、喜ばしいことだと思う。
Preferred Networksのスパコン「MN-3」が電力当たり性能の「Green500」で3度目の1位に | IT Leaders
さらに、これも日本のスパコン・Preferred Networks(PFN)の「MN-3」は、ディープラーニング(深層学習)用途のスーパーコンピュータだが、これが、今回、スーパーコンピュータの電力当たり性能ランキング「Green500」で1位を獲得し、日本勢が、主要ランキングの首位を独占する結果となったようだ。
ただ、次世代100京級スパコンの現時点での開発状況を調べると、そろそろ次回のランキングでは、「富岳」が首位を守るのは難しいかもしれない。
ASCII.jp:世界最高速スパコンFrontierがAMD製CPU/GPUを採用 スーパーコンピューターの系譜 (1/6)
米オークリッジ国立研究所で、世界初の「エクサスケール」のスパコン「フロンティア」の納入作業が進んでいるらしく、2022年には稼働を開始できる見込みだからだ。
開発が遅れていたインテル主導の「オーロラ」も、深刻だったインテルの最新半導体プロセスの問題が解消したようで、1年後ぐらいには、リリースされそうだ。
「天河」E級スパコン検証システム、2項目で世界一に--人民網日本語版--人民日報
中国の「エクサスケール」のスパコンになると言われている「天河3号」は、上の記事を読むと、2021年7月時点で検証段階にはあるようだが、「単一始点最短経路(SSSP)とビッグデータグラフ探査性能で世界一になった」という文言を見ると、完成度には疑問符が付く。
というのも、SSSPにしろビッグデータグラフ探査にしろ、スパコンベンチマークの一部のテスト項目に過ぎず、それしか「世界一」だとしか成果を言えなかったということは、トータルでは、「富岳」を超える性能はまだ発揮できていない、ということになる。
このような開発状況を見ると、おそらく次回のランキングで首位に立つのは、米国の「フロンティア」で、「富岳」は1位からランクダウンするものの、当面2位にとどまるものと思われる。
とはいえ、おそらく再来年には、「オーロラ」「天河3号」にも抜かれ4位まで落ちることになりそうだが、それは仕方のないこと。
そのころには、おそらく「富岳」の後継モデルの開発がスタートするのではないだろうか。
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なかなかこうしたスパコンランキングにおいて、4期も連続でトップを守り続けるというのは、ほとんどない素晴らしい業績だ。
計測された「富岳」の性能は、3期連続で4冠を達成した2021年6月時点とすべて同じとのことで、結局、それを上回ると言われていた米国や中国の次世代100京級(エクサスケール)スパコンの稼働が遅れていて、今回も間に合わなかったようだ。
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ただ、次世代100京級スパコンの現時点での開発状況を調べると、そろそろ次回のランキングでは、「富岳」が首位を守るのは難しいかもしれない。
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米オークリッジ国立研究所で、世界初の「エクサスケール」のスパコン「フロンティア」の納入作業が進んでいるらしく、2022年には稼働を開始できる見込みだからだ。
開発が遅れていたインテル主導の「オーロラ」も、深刻だったインテルの最新半導体プロセスの問題が解消したようで、1年後ぐらいには、リリースされそうだ。
「天河」E級スパコン検証システム、2項目で世界一に--人民網日本語版--人民日報
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というのも、SSSPにしろビッグデータグラフ探査にしろ、スパコンベンチマークの一部のテスト項目に過ぎず、それしか「世界一」だとしか成果を言えなかったということは、トータルでは、「富岳」を超える性能はまだ発揮できていない、ということになる。
このような開発状況を見ると、おそらく次回のランキングで首位に立つのは、米国の「フロンティア」で、「富岳」は1位からランクダウンするものの、当面2位にとどまるものと思われる。
とはいえ、おそらく再来年には、「オーロラ」「天河3号」にも抜かれ4位まで落ちることになりそうだが、それは仕方のないこと。
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