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10年ぶりの車の変化(3) 冷暖房の常識の変化 [乗り物]

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久々に車を買い替えることになり、いくつかハイブリッド車に試乗していて、気付いたことや、営業の方に教えてもらったことがいくつもあり、とても新鮮だった。

その中の一つに、冷暖房の常識の変化がある。

従来のエンジン車だと、暖房は、エンジンの冷却水の余熱を利用するため、温まり始まるまでは少し時間はかかるが、暖房をつけたからといって、それほど燃費が悪化したりはしない。

逆に、冷房は、エンジンの動力で、コンプレッサーを回し、その動力で冷房を行うため、冷房を使うためには、通常よりエンジンを回してやる必要があり、その分、燃費が悪化する。

すなわち、エンジン車では、暖房より冷房の方が、燃費に対して影響が大きいというのが、常識だったと思う。

ところが、最近のハイブリッド車は、これが全く逆で、冷房より暖房の方が、燃費にへの影響が大きいのだそうだ。

最近のハイブリッド車は、バッテリーの残容量が多ければ、車によるが40~60km/hの速度までは、エンジンを使わずモーターのみで走るものも多い。

となると、冷暖房も、エンジン車とは全く違う方式にせざるを得ない。

冷房でいえば、エンジンではなく、バッテリーの電気で電動コンプレッサーを駆動する車が増え、しかも、インバーター方式を搭載する車が出てきた。
これは、省電力では最先端である家庭用エアコンの技術が、車に入ったようなもので、エネルギー効率が大幅に向上しているらしい。

逆に、暖房は、電動コンプレッサーにしても、冷房ほどはエネルギー効率は改善しないのと、肝心の寒冷地で暖房性能が著しく劣化するため、従来通り、エンジンの余熱を利用するものが多く、そのため、モーターで走れる状態でも、暖房を入れると直ちにエンジンが掛かる車が多いらしいのだ。
そのため、暖房を入れると、燃費への影響が大きいという。

【追記】
EVやHVでも寒冷地仕様では、暖房をPTCヒーターで行うものが多いらしい。これは、バッテリーの電気で電熱線を発熱させるもので、暖房は早く立ち上がるが、エネルギー効率は悪い。

つまり、ハイブリッド車では、冷房より暖房の方が、燃費が目立って悪化するらしいのだ。

その弱点をカバーするため、最近のハイブリッド車では、次のような装備が付いていることが多い。



・シートヒーター、ステアリングヒーター

室内が寒ければ、エアコンより、シートヒーター、ステアリングヒーターを積極的に使って欲しいという。
エアコンで室内全体を温めるより、局所的に体を温める方が、圧倒的に省エネなためらしい。

・後部座席用サーキュレーター

車の天井に、後部座席用のサーキュレーターを搭載する車が増えた。
後部座席にも暖房が効くようにするには、後部座席用のダクトを設け、エアコンのパワーを上げればいいのだが、それでは燃費が悪化してしまう。
その弊害を避けるため、天井に大型のサーキュレーターを取り付けることで、冷暖房の空気を後部座席にも効率的に循環させる車が増えたのだ。

・IRカットガラス

車のウィンドウガラスとして、UV(紫外線)カットガラスは、日焼け対策のために標準装備されるケースが増えたが、最近の車は、さらにIR(赤外線)もカットする機能が追加されたガラスの採用が増えているようだ。

これは、昼間に室内が高温になり、冷房が効きにくくなることを改善するためらしく、それにより冷房を使ったときの燃費の悪化が抑えられるらしい。

実際、IRカットガラスの車だと、夏場にカーシェードを付けずに屋外に放置した車に乗り込んだりすると、明らかに違いが判るそうだ。

ちなみに、カー用品店で、後付けのIRカットフィルムという商品も売られているが、車のウィンドウの透過率が、元々車検規定ぎりぎりの場合、フィルムを貼ることでさらに透過率が下がり、車検が通らないケースもあるようなので要注意だ。
メーカー標準のIRカットガラスでは、もちろん、そんな問題は起きない。



これらの装備は、標準装備ではなく、メーカーオプション、ディーラーオプションであることも多いが、ハイブリッド車の場合、車内が快適になるし、燃費も向上するため、価格が馬鹿だがくなければ付けた方がいいみたいだな。

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