もちろん、メモリカードを読み書きし続ければ、元のセルに書き込む状況に至ることはあり、そうなれば復活はできない。
使用しているメモリカードの残容量がほとんどない状態だと、同一セルの書き換えタイミングは早くやってくるので、メモリカードは、リカバリーの可能性を考えても、できるだけ大きめの容量で、残容量に余裕を持った状態で使うのが得策だ。
なお、「ディープスキャン」は時間がかかるのが玉に瑕だが、途中で中断し、あとで中断地点から再開することもできる。
大容量メディアの場合、一晩でスキャンが終わらないこともあるが、一旦パソコンの電源を落としても、翌日、途中から再開できるのはありがたいな。
Data Recovery Wizard Pro + Bootable Mediaまた、Data Recovery Wizard Proには、Bootable Media付きのパッケージも用意されており、Bootable Mediaがあれば、たとえOSが立ち上がらなくなっても、CDから「EaseUS Data Recovery Wizard」を直接起動し、HDD内のファイルを復旧できる可能性がある。
といいつつ、WindowsもXPあたりから、OSが起動しなくなるような甚大な被害には会うことはめったになくなった。
標準のファイルシステムが、ジャーナリング機能があるNTFSが標準になり、OS自体にも、リカバリー機能が標準されるようになったからだ。
あるとしたら、セキュリティ対策が甘くて、ウィルスによりOSが破壊されたときか。
これも、セキュリティ対策をしっかりしていれば、めったにない事態であることを考えれば、あえてBootable Media付きを買う必要まではない気がするな。
となると、個人的に、このソフトは、一番使いそうなのは、やっぱりメモリカードの修復だろう。
Free版でも2GBまでなら修復可能なので、Professional版が欲しくなるのは、動画などの修復を行いたい人か。
一番ありそうなのは、例えば、デジタル放送の録画を、DLNAコピーで、スマホの内蔵ストレージや、メモリカードにダビングし、スマホで視聴するようなケース。
このスマホにコピーした動画ファイルをうっかり消してしまったものを、復活する場合、Professional版が必要になってくるだろう。
また、大容量のSDカードのファイルシステムが壊れて全く読み書きできなくなった場合も、Professional版が欲しくなりそう。
Free版からProfessional版への変更は、ライセンスコードを入力するだけなので、まずはFree版をインストールしてみて、必要に応じて、Professional版への変更を考えればいいと思う。
その意味で、Free版を予めパソコンにインストールしておいて損はないソフトだとは思う。
ただし、個人的には、ここまで作り込まれていながら、CD/DVD/BDメディアのリカバリーができないのは、片手落ち感はどうしてもあって残念だ。
メモリカード以上に、こうした光メディアが読めなくなることは多いからだ。
それは、また別のソフトを買ってください、ということなのかもしれないが、EaseUS社のサイトを見る限り、そのニーズに対応できるソフトはないみたいだな。
以上、依頼を受けた「EaseUS Data Recovery Wizard」のレビューでした。
ちなみに、余談だが、私の知り合いの女性に、デジカメを使っていて、SDカードが写真でいっぱいになったら、新たにSDカードを買い足して交換し、撮影した写真を、パソコンなどにはバックアップを取らず、SDカードをまるでネガフィルムのように保存している人がいる。
パソコン嫌いのアナログ人間の場合、こうした習慣は、それほど特殊なものではないらしいと聞く。
SDカードの価格自体が、枚数換算でフィルムより遥かに安いのだから、ある意味、当然の行動かもしれない。
そうした人間にとっても、突然SDカードが読めなくなる状況は、大変な事態だろうから、こうしたソフトは、特に有用だろうなと思うな。
ただ、そうした人間は、いかんせん、パソコンを既に持っていないかもしれない。
そう意味では、「EaseUS Data Recovery Wizard」のスマホアプリ版というのが、今後必要とされていると思うので、是非開発して欲しいな。特に直接メモリカードが扱えるAndroidフォン/タブレット用は、需要があると思う。
関連記事:
「EaseUS Data Recovery Wizard V9.9」試用レポート(1):トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ