「GRAD Prestige Black 1」が届いたので、早速レコードプレーヤーSL-10に装着した。
小さなプラスネジを外せば、元々付いているカートリッジは取り外せるので、
代わりに「GRAD Prestige Black 1」を差し込んで、ネジで留める。針圧調整も、オーバーハング調整も何も要らないのが、このT4P規格の素晴らしいところだ。
ただ、SL-10の場合、この小さなねじがアームの根元にあって、非常に締めにくい。ネジをある程度指でねじ込んで、外れないようにしてから、ドライバーで締めるといい。

あとは、「GRAD Prestige Black 1」はMCヘッドアンプが不要なので、SL-10のボタンでMCヘッドアンプをOFFにすればOK。

音がいいと言われるアナログレコードをいくつか再生してみたが、さすがに劣化したEPC-310MCより、低音も出て高域もひずみ感がなく、バランスがいい。
音に力強さはあまりないが、高音が繊細で、スクラッチノイズも柔らかく、嫌な音が出ないタイプのカートリッジだな。
低音に関しては、アタックの強い音には強いとはいえないが、パイプオルガンなどは、ヘッドホンで聴くと超低音まで出ているのが分かる。
音の好みはあるとは思うが、これなら、買い替えた価値はあったな。実質7千円以下なら安いし、純正の交換針も4千円以下で買えるのは助かる。

音質的には、もちろんアンプとスピーカーの限界は感じるが、MP3の圧縮音楽には出ない高域のきめ細かさは、なんとなく分かるな。

ここまでが今の我が家でできる限界だが、せっかくアナログディスクでしか入手不可能な音源もあるのだから、今後は、たまにはアナログレコードも聴くことにしよう。

それにしても、このSL-10、1979年12月に発売されたそうだが、発売期間は1年ぐらいだったと思うので、発売末期の製造だったとしても、既に30年以上経っている。それが、今でも現役で使えることに感動するな。

リニアトラッキングアームの動きも滑らかで、当時のマイコンの実力を考えると、この水平維持や針圧維持のフィードバック制御もアナログの筈であり、レコードサイズの光学センサーや、再生終了のセンサーなどの検知も、メカニカルだろう。
そう考えると、中身は、まさにカラクリ人形のような構造に違いない。
当時、名機というのは、こういう製品を言うのだろうと思う。

また、GRADOのように、今でも、マイナーなT4P規格のカートリッジを作り続けてくれているメーカーがあることに、感謝しなくてはならないな。しかも、低価格で、音もそこそこいいのだから、文句のないところだ。




人気ブログランキングへ