マイクロソフトのBuild 2014では、「Windows 8.1 Update」以外にも、Windows Phone 8のアップデート版「Windows Phone 8.1」が発表された。

Google NowとSiriを足したようなパーソナルデジタルアシスタント「Cortana」が追加されるとのことだが、こういう表現をされること自体が、いかにも後追いのコンセプトで、新鮮味なし。
これがあるから、「Windows Phone」に買い替えたいと思う人など、ほとんどいないだろう。

もし、本当に優れた画期的機能なのだとしたら、「Windows 8.1 Update」でも使えるようにすればいいのに。
PCなら利用者の数は格段に多いはず。そこで、「本当にいい!」と思われれば、「Windows Phone」の立派なプロモーションになるはずなのに、それはする気がないらしい(もっとも、本当にやったら、サーバが大変そうだが)。
マイクロソフトは、早くも「Windows Phone」に対して、腰を引き始めているとしか思えないな。

もっとも、Windows Phone 8自体、日本語のサポートも後回しだし、日本のキャリアから製品が発売される見込みも当面ないので、どうでもいいや。

【イベントレポート】【速報】Microsoft、9型未満のデバイスにWindows無償化を発表 ~Windows for IoTも発表 - PC Watch

また、OEMとODM向けの9型未満のディスプレイを搭載したWindowsスマートフォンとタブレットに対して、OSを無償化するとのこと。
こちらは、一見センセーショナルなニュースに見えるが、大したことはない。

まず、OEMとODM向けのみになので、一般ユーザーが無料で手に入れられるわけではない。
それに、無償といっても、それはプリインストールしたOSのライセンス料が、製品ベンダーにとってタダというだけのこと。

Linuxだって、基本、ライセンスフリーで利用できるが、実際に製品に組み込んで使うとなると、ディストリビュータのサポートを受けるケースは多く、その際、サポート費用を取られるが、意外とそれが高かったりする。
昔、ある製品のOSを、Linuxにするか、ライセンスが有料のWindows CEにするか検討比較したとき、結局、トータルではかかる費用に大差なかった記憶があるぐらいだ。
もちろん、Linuxはソースコードが公開されているので、ディストリビュータのサポートを受けずに、独自で製品に実装すれば、タダだし、そういうやり方を選んでいる力のある会社もある。

しかし、私の知る限り、Windowsのソースコードは、今のところ非公開である。
LinuxやAndroidなどとは違い、おそらくWindowsスマートフォンとタブレットを製品化する際に、マイクロソフトのサポートなしでOSを実装することはできないだろう。
製品ベンダーには、おそらくSDKの形で提供はされるだろうが、問題が発生した場合、それがOSかそうでないかを切り分けるのは、必ずOSのソースを握っているマイクロソフトとの共同作業になるし、OS側の問題だった場合は、マイクロソフト側にSDKを修正してもらわないといけない。しかも、下手をすると、他のベンダーでの実装への影響が大きければ、修正もしてもらえないかもしれない。
Windows OS自体が枯れていて不具合もめったにないなら、それでもいいが、Windows 8以降使い始めたRTカーネルは、まだまだ歴史も浅いし、バグフリーとも思えない。

だとすると、マイクロソフトのサポートに対する依存度は高くならざるを得ず、そのサポート費用がどういう料金体系になっていて、継続的にどの程度かかるのかが明らかにならないと、無償化の意味を正確に判断することはできない。

本当に儲け度外視でタダにしたのだとしたら、それはそれでマイクロソフトの危機的状況を示しているとも言えるし、マイクロソフトという会社が、今後も高い株価を維持し続けられる会社なのか、疑問に思えてくるな。

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