ケータイキャリアへの総務省の行政指導は何を生んだか？

携帯料金下げへ大手３社を指導　総務省、月内に　　：日本経済新聞

ケータイ大手3社への総務省の行政指導により、携帯電話値下げへの動きが出そろったが、今回の結論を導いたへなちょこな総務省の姿勢に、ちょっと怒っている。
これでは、大多数の一般消費者にとては喜ばしい状況になっているようには見えないからだ。

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料金値下げに関しては、auがソフトバンクとほぼ同額の1GBプランが追加され、ドコモが家族でシェアできる5GBプランが追加されたものの、それ以外は全く動きはなし。
それにより、パケットをほとんど使わないユーザーのみが、多少お得になったのみに留まる。

また、契約縛りの点でも、3月以降、2年後の1か月間しか無料で解約できなかったのが、2か月に延長されるというが、そもそも2年の割賦が完了した後は、自由に解約できるようにすべきであり、小手先の制度変更にとどまったと言わざるを得ない。

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一方、端末の販売に関しては、2月に入って、各社一斉にキャッシュバックの広告が消え、一括0円どころか、実質0円の端末も見当たらなくなってしまった。

そのことは、商品価値に応じた価格でモノを売るという意味では、正常化したかに見える。

が、不思議なことに、依然として、新規、MNP、機種変更では機種代金が異なる端末が多く、特に既存ユーザーが機種変更をすると、新規より損をする状況が多いのは、変わっていないのがおかしい。新規と機種変更で、商品の価格が変わるというのは、いったいどういう根拠に基づいているのだろうか。なぜこんな不合理が、今回残ったのだろう。

また、これだけ端末が値上げされた分の利益は、本来、料金プランの値下げで還元されるべきだが、それが、あまり使わないユーザー向けプランの新設のみでは、とても釣り合っているとは言えないだろう。

例えば、今回の制度改正で一番得をするユーザーを考えると、auのスーパーカケホ＋データ定額3(3GB)を契約していたライトユーザー(月額6,200円)が、実際には1GBも使わないので、機種変更時にスーパーカケホ＋データ定額1(1GB)に契約変更した場合だろう。
この場合、月額4,900円に下がり、月額料金は1,300円下がる。

一方、端末は、2年前の「iPhone5s(16GB)」から、「iPhone 6s(16GB)」に機種変更したとすると、実質0円で買えた「iPhone5s(16GB)」が、端末割賦が月額3,510円に、毎月割が-2,435円で、実質、月額1,075円の負担となり、結局、毎月の支払いは、225円しか安くならない。

それ以外の料金プランを選ぶユーザーに至っては、端末代金の上昇による一方的な値上げでしかなく、今回の制度改正は、トータルで見れば、ほとんどの消費者にとっては、現状は値上げでしかないだろう。

もし、今後、携帯3社の決算で、利益が大幅に増加するようなことがあれば、当然、端末値上げ分の料金プランへの還元が不十分という意見が出てくるだろうな。

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さらに、総務省は、販売店の行き過ぎたキャッシュバックを今後も監視する意向らしいが、そんなことより、総務省の当初の意図と反して、大多数の消費者には値上げにしかなっていないことを、携帯3社にしっかり指導して欲しいものだ。

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個人的にも、今回の制度改正には大いに不満なので、それへの抗議も込めて、本気でMNPでMVNO事業者へ移行してやろうと思っている。

1GBで通話付きプランなんて、MVNOで1,200円のプランもある。通話料金は別で、キャリアメールなどの独自サービスもないにしても、スマートバリューに加入しても4,000円弱というauの1GBプランに比べれば、約2,800円も安い。

私の場合、通話、SMSはほとんどしないし、パケットに関しては、別途WiMAX2＋ルーターを一緒に持ち歩いて、カバーすることを考えているので、トータルではどう考えてもMVNOの方が安いのだ。

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