果たせるか覇者ルンバ越え! 「ダイソン 360 Eye」の実力を徹底検証 | 常識を越えろ! 変革者たちの挑戦 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト過去、同様のコンセプトのお掃除ロボットというと、「ダイソン 360 Eye」が挙げられるが、この製品は230x120x240mmということで、サイズはダイソンが僅かに勝っているが、高さは日立が勝っているので、「世界最小クラス」という表現になるのだろう。
直径や高さをコンパクトにすることで、部屋の隅や、椅子の脚の間や、ソファーの下など、掃除しにくい場所も掃除が可能となったという。
一方、ボディーを小さくすることで、1回の通過で掃除できる幅も小さくなってしまうため、壁センサーで素早く壁との距離を測りながら、素早くきめ細かく動かすようにして、時間あたりの通過回数を増やして、弱点をカバーしているそうだ。
搭載した「minimaru AI」は毎秒250回のセンシングを行い、100以上の行動パターンから部屋全体を素早く丁寧に掃除する行動パターンを選択するという。
ただ、記事やニュースリリースを詳しく読むと、このAIは、部屋マップを作成して、マップ内の自機位置を認識しながら、部屋をくまなく掃除する方式ではなく、あくまでランダム走行がベースの旧世代のもの。
従って、掃除し残しが発生する可能性があるし、他社にあるように、掃除範囲を指定して掃除させるような高度なことはできない。
ハードウェア的に見れば、小型で強力なファンモーターや、「床質センサー」と、「回転ブラシ」と「かきとりブラシ」による床に応じた吸引を行うし、自動で充電台に戻った際、ダストケース内にたまったゴミを圧縮する「ごみプレス」機能で、ホコリの舞い上がりを抑え、ゴミ捨て頻度を減らせる工夫をしていたり、自動で「回転ブラシ」をクリーニングする「ブラシ自動おそうじ」機能もある。
掃除機としてのハードウェアは、なかなか力が入っており、コンパクトさと吸塵力の両立、メンテナンスの容易さなど、よく考えられているのに、ソフトウェア面で、今頃出すにしては世代遅れの技術を使っているのが残念なところだ。
インタビュー:ビジネスで「結果出すAI」=日立・矢野和男氏 | ロイター日立というと、BtoBの世界では、人工知能に関しても様々な最先端の成果を出しており、その知見を活かせば、お掃除ロボットにも、もっと高度なAIを搭載できるはずなのだが。
家電事業が日立アプライアンスという子会社に移って以降、親会社の技術成果を簡単に家電に活かせないような体質がある(あるいは単に、家電が儲からなくて開発費が出ない?)のだろうか。
ただ、初代製品としては、ハードウェアの完成度は高いと思えたので、次のステップで、さらに高度なAIを搭載して、一気に他社を抜き去るぐらいの本気度が欲しいところ。
白物家電は、三洋、東芝が中国企業に売却され、シャープも台湾企業の傘下に入り、日本の家電メーカーはパナソニックと日立と三菱ぐらいになってしまった。
この中で、精力的に次世代の白物家電を開発し、ワールドワイドで売って行こうという意欲があるのは、パナソニックだけであり、日立は、日本ではトップシェア製品も多いにも関わらず、その地位に胡坐をかいて、パナソニックのような意欲が感じられないのは、残念でならない。
かつて家電の盟主であった日立のプライドをかけて、もうちょっと頑張って欲しいな。
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