それでいて価格は、1,959,120円とギリギリ200万円以内に収めてきた。
Xタイプでe-POWERの有無で比較して、エコカー減税分や装備の違いも考慮すると約39万円のアップとなり、実質差額を燃料代の差額で取り戻すには20万km近い走行を要するが、まあこれは既存のハイブリッドカーでもこんなものだ。
ただ、詳しく情報を読んでいて、驚くべき事実を知った。
世間的には、「シリーズハイブリッドカー」に分類される「e-POWER搭載ノート」であるが、日産自身はこの名称を使っておらず、「ガソリンで発電するEV」であることを前面に打ち出している。
ところが、EVであるなら、当然あるべきの「外部充電機能」が、「e-POWER搭載ノート」にはないのだ。すなわち、「e-POWER搭載ノート」は外部充電機能があるPHVではなく、HVなのだ。
PHVは、家庭でガソリンより安いコスト(夜間電力なら契約次第ではガソリンの1/3ほど)で充電ができ、近所を短い距離走るだけなら、一切ガソリンを使わず走ることができる一方で、充電が切れたらガソリンで走行できるため、たまの長距離ドライブも安心して使えるメリットがあるのだが、「e-POWER搭載ノート」は、ガソリンなしで走ることはできない。
あくまでガソリンで走るHVカーとしての使い方しかできないことになる。
日産ノート「e-power」の燃費に疑問が!? | ミニバンとクルマのなんでも情報局しかも、HVカーでは命である燃費についても、巧妙な罠が隠されている。
37.2km/Lという燃費は、一見トヨタのHV「アクア」をも上回る高燃費に見えるが、これは「e-POWER S」というe-POWER搭載車ではローエンドモデルのもので、「e-POWER S」は、いまどきエアコンさえ搭載しない、燃費のためだけの見せかけモデル。
普通の人が買うと思われる「e-POWER X」では、34.0km/Lまで落ちてしまう。
しかも、JC08モード燃費の計測においては、バッテリーはフル充電の状態で行う規定のはず。
だからPHVのJC08モード燃費は、異常に高い値になりがちなのだが、これは、JC08モード燃費の計測の途中までは、完全にEVとして走行できるため、そこまで一切ガソリンを消費しないからだ。
ただ、PHVの場合、実際、ユーザーが自分で充電して使えるから、この燃費数値に全く意味がないとも言えない。買い物や家族送迎程度の短距離でしか使わなければ、実際、ガソリンを一切消費しない使い方ができるからだ。
そういう人間にとっては、JC08モード燃費を上回る燃費が達成できることになる。
ところが、「e-POWER搭載ノート」の場合、外部充電ができないので、内蔵バッテリーをフル充電にする手段は、ガソリンエンジンで発電するしかない。
だったら、本来は内蔵バッテリーをフル充電するのに必要なガソリン量も、燃費に勘案すべきなのだが、現状のJC08モード燃費の規定はそうなっておらず、日産ノートはその抜け穴を巧妙に突いた燃費表記をしていると言える。
すなわち、「e-POWER搭載ノート」の実行燃費は、納品された直後はフル充電だろうから、比較的カタログ値に近い燃費となるかもしれないが、それ以降は、充電のためにガソリンを消費するため、さらに燃費は悪化するはずだ。
我が家的には、車の使い道の大半は、普段の家族の送迎や近所の買い物程度なので、「e-POWER搭載ノート」に外部充電機能さえあれば、家で充電して完全にEVとして使えて、なかなか我が家の使い道には最適だな、と思っていたのだが。
だから、「e-POWER搭載ノート」に外部充電機能がないと聞いて、非常にガッカリしている。
それじゃ、ガソリンより安い家の電力が使えないからだ。
今からでも遅くないし、オプションでもいいから、是非とも外部充電機能は追加して欲しいな。
関連記事:
日産ノートのHVは「レンジエクステンダー付きEV」らしい:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ