船井電機というと、パナソニックやソニーなどに比べれば、地味な存在で、昔は「安物」というイメージが付きまというメーカーだったが、米国では、FUNAIブランド自体、よく知られており、販売シェアも日本とは比べ物にならないぐらい高かった。

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VHSデッキを最後まで作り続けた点でも記憶されるべきメーカーだ。

ただ、ブランド力が弱い体質から抜けきれず、ある時期からOEMベンダに徹するよう方針転換があり、日本の大手家電メーカーのテレビやレコーダーの開発、製造を一手に手掛けるようになる。

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具体的な情報は公開されていないのだが、噂では、三菱のBDレコーダー内蔵テレビは船井製だったり、パナソニック以外のBDレコーダーは、今は皆船井製だといった情報がアンダーグラウンドで飛び交っていたりする。
ニッチなところでは、日立マクセルが出しているiVDRレコーダーなんかも、船井製らしい。

船井電機、過去最大の赤字を受け創業者らが退任 | スラド

ところが、2016年、船井電機、過去最大の赤字を受け創業者らが退任する事態となった。
原因は、AV事業の業績低迷で、それはイコールOEM先のメーカーの業績低迷だった。
三菱はレコーダー事業から撤退し、シャープや東芝のAV事業が外資に売却される事態となれば、それまでのOEM戦略ではうまくいくはずがない。

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そこに飛び込んできたのが今回のニュース。

船井電機が、ヤマダ電機と組んで、船井ブランドのテレビやレコーダーを発売し、独占販売するという発表は、驚きはしたが、納得できるものがあった。

デジタルAV家電というのは、今や、ハイテク技術の塊なのだが、長年、各社のOEM開発を受け置く中で、船井電機には、そうした技術をモジュール化し、顧客のどんな要求にも対応した仕様の製品が開発できるノウハウが確立しているのだろうし、しかもそれを低価格に製造できる体制が出来上がってきたのだと思う。
だから、OEMブランドでなくても、最先端のデジタルAV機器を開発、製造する力は、元々持っている会社なのだ。

ただ、船井電機の最大の弱点は、繰り返すが、ブランド力のなさ。それを、ヤマダ電機と組むことで、カバーしようというのが、今回の提携なのだろう。

今回の提携では、フルラインナップのテレビと、BDレコーダーを発表したが、最初から力が入ってんなぁ、という印象。


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テレビについては、4Kテレビが、全録対応で55/49型のフラッグシップ「6000シリーズ」、65/55/49型で予約録画対応の「5000シリーズ」、スタンダードな「4100/4000シリーズ」の4シリーズ8モデルに、2Kテレビの「2000シリーズ」という4kテレビメインのフルラインナップを展開する。