速報:世界初の月旅行客はZOZOTOWNの前澤氏。SpaceXイーロン・マスク氏が発表 - Engadget 日本版

SpaceXのイーロン・マスクCEOが、SpaceX本社で会見を開き、巨大宇宙船BFRを使った世界初の民間月観光旅行の乗客第1号として、ZOZOTOWN創業者の前澤友作氏と契約したことを発表したが、これが世界中で大ニュースとなっている。

最初の乗客が前澤氏だという点には驚いたが、発表内容を精査するうち、このタイミングでの大々的な発表という、イーロン・マスクの露骨な投資家対策には呆れざるをえなくなった。

半世紀ぶりに人類が月へ。SpaceXが月周回ツアーを2018年にも実施、すでに乗客2名が予約済み - Engadget 日本版

そもそも、昨年、SpaceXは、月周回ツアーを行う計画を発表していたが、それは、大型ロケットFalcon HeavyとDragon宇宙船を使用したもので、2018年末に2名の乗客を搭乗させるというものだった。その際も、すでに乗客は決まっていことを語っていた。

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それが、前澤氏だったのかどうかは、今となっては不明だが、今回発表された内容は、2017年秋に発表があった、十数人が乗船できる再使用型宇宙船Big Falcon Rocket(BFR)を利用し、2023年に、月への周回旅行を行うというものに、いつの間にかすり替わっている。

まずは、元々2018年実施だった計画について、発表会で誰からも問い正す記者がいないのが腹立たしいが、開発中と言っていたFalcon HeavyとDragon宇宙船はどうするのか? 止めるならどれだけの開発費が無駄になったのか。

そして、元々月旅行を行うと発言していた2018年になっても、月どころか大気圏外に出るテスト飛行さえ一向に行われず、誰が見ても計画実行が危ぶまれる状況で、いきなり2023年に計画を延期するという。
しかも、それを乗客第1号を発表するというニュースバリューで、その疑念を頭から吹っ飛ばさせるという、誠実には程遠いやり方。

意地の悪い見方をすると、本当は何も開発できていなかったんじゃないの?と疑いたくもなる。