しかも、加速後、60km/hに達し、定速巡行し始めると、すぐにモーターのみの走りに切り替わり、エンジンの回転数も2,000回転前後に下がって、静かになるのもいい。
一方、運転モードをパワーモードに切り替えると、低速からモーターの出力が上がる上に、エンジンの加速が加わるタイミングも速くなる感じだ。
ただ、一番パワーモードを使う機会が多いと思われる高速道路での試乗は出来ていないので、パワーモードについては、実際に納車されてから詳しく感想を書きたい。
運転モードをエコモードに切り替えた場合は、正直、ノーマルモードとあまり違いが分からなかったので、街中ならエコモードでいいのかも。
ただ、後で調べたら、エコモードだと冷暖房も若干弱くなるらしいので、気温によってはそちらの方がむしろ気になるかもね。
エネルギーフローを見ながら、しっかり意識して走ってみて、自動車評論家の動画レビューで、あまりハイブリッド2WDの走りの評価が高くない理由も分かってきた。
ハイブリッド車の場合、評論家は、エンジン+モーターの駆動力を期待して、エンジン車より加速の良さを期待しがちのようだ。
ところが、新型シエンタの2WDハイブリッド車はそうではない。エンジン車に対して物凄く加速感が優れているかと言えば、そんなことはないだろう。
しかし、この車のノーマルモードは、エネルギーフローを見ていると、設計の主眼はそこにないように見える。
この車の場合、低速時は、エンジンがかかっても発電しかしていなくて、駆動はモーターのみという領域が大きく、エンジン車の低速部の加速特性をそっくりモーターで代替しているような設計に見える。
それでは、おそらくエンジン車に比べて「加速がいい」という感覚にはならないだろう。
では、そのようなセッティングにする意味は?というと、それは、エンジン車のような運転感覚のまま、燃費を最大限改善できることにあると思う。
実際、私の買ったハイブリッド2WDの5人乗りで、WLTCモードの燃費が28.4km/Lという、このクラスの車では破格の燃費性能となっている。
現行のホンダ・フリードのハイブリッド2WDのWLTCモード燃費は、20.9km/L
17.9km/Lと、勝負にならない。
【誤りがあり訂正しました】来年フルモデルチェンジをしたとしても、ハイブリッドシステムが、現行フィットをベースとする限り、燃費は23km/L
20km/Lを超えるのがせいぜいで、新型シエンタには依然として全く敵わないと予測される。
ついでに言うなら、次世代のフリードが使用すると予想されている、現行フィットのグローバルスモールプラットフォームは、それ自体、先代フィットからの継承で相当古い。
現行フリードは、先代フィットのプラットフォームを流用しているから、次世代のフリードでも、プラットフォームは現行モデルと変わらないことになるため、車体の軽量化も困難。
これも、燃費の向上の大きな障壁になるだろう。
面白いのは、ホンダ大好きなのが隠せない評論家は、この燃費の大きな差を無視して、「トヨタとホンダのハイブリッドシステムに大きな差はない」などと言い切ってしまうんだよな。
中には、燃費は車の評価の対象にしないという、浮世離れした有名評論家もいて、この時代に呆れる外ない。
私自身が、新型シエンタでハイブリッド2WDを選んだ理由は、ガソリン車に比べて燃費が約10km/Lも良いため、走行距離を考えれば、ガソリン車との税金も含めた実質差額25万円が、5~6年で減価償却できそうであること。
ガソリン価格がさらに上がれば、もっと減価償却時期はもっと早まるだろう。
私は、10年乗るつもりでいるから、ハイブリッド車を買った方がトータルでお得と判断しただけだが、こうした考え方はマイナーなんだろうか?
ほとんどの評論家のレビューで、ガソリン車かハイブリッド車のどちらがいいかという評価をするときに、こうした大きな燃費の差について、一切選択の基準にしていないことに、驚いてしまうのだ。
なお、今回の試乗での燃費は、うっかりメーターリセットをミスってしまって測れなかったので、納車されてからじっくり測りたいと思う。
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