放送各社、パナ社「スマート」テレビのCMを拒否 国際ニュース : AFPBB News

パナソニックのテレビ「スマートビエラ」が、民放各社からCM放送拒否されているそうだ。テレビ自体に興味を失っていることもあってか、全然気付かなかったな。

スマートビエラはなぜ、CMを拒否されたのか?(大元 隆志) - 個人 - Yahoo!ニュース

その理由を詳しく書いた記事を探したが、ARIB規格に言及して説明した記事はこれぐらいしかない。しかも、規格の文言を読んでみたが、これは判断が微妙なところだ。

放送局は、映像の上に勝手に関係ない情報を重ねるのを嫌うし、そうしたことをしないことが望ましい旨、規定がある。

スマートビエラは、映像にインターネットコンテンツを重ねておらず、映像を縮小表示して、その周りにL字型にウィジェットを並べて表示しており、この点に関しては、問題ないように見える。

放送と同時に、関係ないコンテンツを混在表示してはならないという、もう1つの規定については、放送映像と他のコンテンツを画面を分割して表示するなら、問題はない筈だ。

アプリキャスト | ネットサービスを楽しむ | 液晶テレビ BRAVIA 〈ブラビア〉 | ソニー

既に、ソニーがテレビにアプリキャストというのを搭載していて、放送を見ながら、インターネットコンテンツを表示する製品はあり、それに対しては今回のような問題は起きていないからだ。

ソニーと違いがあるとしたら、スマートビエラの場合、電源オンでウィジェットを同時表示することができることだろう。
ソニーは、電源オンでは自動でアプリキャストは表示されず、ユーザーがリモコン操作で起動しないと表示されない。
スマートビエラは、設定でウィジェットを表示しないようにもできるようだが、購入時の初期設定を素直に進めると、ウィジェットが表示される状態になる。

放送局からすると、電源オン時から勝手に関係ないインターネットコンテンツを表示されると、それが放送局が表示したものと誤解されるから、ARIB規定に違反するとの見解なのだろう。

しかし、これはあくまで見解であって、元々の文章が非常に抽象的な表現の規定なので、解釈次第とも言える。

おそらく、パナソニックの見解は、ウィジェットの同時表示は設定でON/OFFでき、ウィジェットに何を表示するのかはユーザーが設定できるのだから、ユーザーが意識して表示させるのであれば、ARIB規定には違反していないということだろう。

すなわち、この問題は、ARIB規定の解釈のグレーゾーンであり(しかも、どちらかというとパナソニックの方に分がある)、放送局から見ても、「明確に規格違反だ!製品を改修しろ!!」とまでは言いにくい仕様なのだ。

だからこそ、ARIBの場で規格違反かどうかを議論するのではなく、CM拒否という裏技で、メーカーいじめとも言える行為を行っているのだろう。
多分、放送局からパナソニックへの商品発注も全面禁止になっているんではないかと思う。
放送局ができる対抗措置って、これぐらいしかないからな。

8K、ハイブリッドキャスト……見えてきた次世代テレビの具体像 (1/2) - ITmedia ニュース

放送局とメーカーで、ハイブリッドキャストというHTML5ベースのネットサービスを始めるようだが、デモなどを見ていても、SNSの生の書き込みを放送と同時に表示したいとは、一切思っていないのが分かる。
今回のCM拒否事件を見てもそうだが、放送局は、テレビの上では、インターネットの情報を思う通りにフィルタリングし、都合のいい内容にコントロールして表示したいと思っているのは確実だ。

そんな発想では、ハイブリッドキャストも間違いなく失敗に終わるだろうな。


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