以前は、ドラッグストアなどに展示されていた、二酸化塩素を使用した「空間除菌グッズ」だが、最近、お店で見なくなった。

これらの製品については、2010年に国民生活センターも実物によるテストを行ない、「二酸化塩素による部屋等の除菌をうたった商品は、さまざまな状況が考えられる生活空間で、どの程度の除菌効果があるのかは現状では分からない」という情報を公開している。
このレポートを詳しく読めば、少なくとも、通常の日本の家の中では、明確な効果は計測できなかったことが分かるのだが、店頭やWebでの宣伝は続いていた。

消費者庁、二酸化塩素による「空間除菌」メーカー17社に措置命令 - 家電Watch

それに対し、最近、消費者庁は、二酸化塩素を利用した「空間除菌グッズ」を販売する17社に対し、景品表示法第6条の規定に基づき措置命令を行なった。

17社が自社のWebサイトなどにおいて行なった表示において、表示を裏付ける合理的根拠が示されず「優良誤認」に該当するとのこと。

その勧告以降、ようやく「空間除菌グッズ」が、店頭からほとんど姿を消した。

空間除菌は可能なのか?、指摘される二酸化塩素の危険性 - QLifePro医療ニュース

また、消費者庁の措置命令では取り上げられていないが、一番高い濃度で二酸化塩素を浴びる人体への悪影響の方が気になる。
実際に、措置命令を受けた大手の一社に、特に、目や鼻や喉などの粘膜に悪影響がないかを質問してみたら、そっけなく問題ないという回答だったので、問題ないことを検証した論文などがあったら具体的に教えて欲しいと、さらに質問したら、急に話をごまかし始め、さらにしつこく要求したら、返事が来なくなった。
結局、そのメーカーでは、人体への安全性が検証した証拠は見せてもらえなかった。
大手家電メーカーがこんな態度だったら、社会的に抹消されても不思議ではない。

しかも、措置命令を受けたメーカーの中には、販売を中止したメーカーもあるが、依然として、効果があると言い張って売っているメーカーも存在する。
往生際が悪いといわざるを得ない。

さて、もう一つ、昨年は、かなりドラッグストアの店頭に並んでいたのに、今年は見かけない商品として、「蚊取りラケット」がある。
電池駆動で、ラケットの2層の網目の間に高電圧を発生させ、そこを通った虫を焼き切るというものだ。

この商品も、一時人気で、色々な商品が発売された。
私も、便利そうなので買おうかと思ったのだが、ネットで調べるとすぐに壊れるとの噂があり、結局買わなかった。

探求: 電撃 蚊取りラケット

どれも見知らぬメーカーの中国製だが、壊れる原因は上のサイトを読めば明白。
使用している部品が、高電圧に耐えられるものを使用していないためのようで、これを中国製だからと中国を嘲笑するのは簡単だが、回路設計を承認し、テストして販売した日本企業の責任が重い。

中小企業やベンチャー企業って、もちろん、そこから画期的なアイデアの新製品が出てくる可能性はあるのだが、コンシューマ製品を、出したことがない企業が突然出した場合、時として、根幹にかかわるコンプライアンスや安全性などの配慮に欠けたり、その分野の法規制を無視した商品を出してしまい、大問題になるケースも多々ある。

結局、この「蚊取りラケット」も、クレームが多数あったのか、今年は、ほとんど店頭で見かけなくなった。

そいうえば、昔、一時的に大流行した「ハロゲンヒーター」なんかも、当時、まだ家電品の怖さを知らなかった通販業者が大々的に取り上げて大ヒットした。
大手メーカーはどこも出さなかったが、それも当然。原理的に2年ほどしか持たないのだから。
確実に2年ほどで壊れるのは分かっていたのに、それを明確に説明せず売りまくっていたのだから、これも後からクレームが大変だったようだ。
一時、新聞記事などでも、問題として取り上げられた記憶がある。

ちなみに、今は、カタログでも「ハロゲンヒーター」の寿命を明確に書くようになったし、ヒーターを部品交換できたり、ヒーター自体の改良で寿命を大きく伸ばした製品も出ており、一応納得して買える商品には改良されている。

コーナン商事、家電製品80品目を自主回収。PSEマーク違法記載など - 家電Watch

さらには、これなんかは、明らかに故意の違法行為みたいで酷い。
ホームセンター「コーナン」のオリジナルブランド家電品を開発し販売ていたコーナン商事が、認証費用と手間をケチったのか、全くテストせずPSEマークを勝手につけた違法商品を売っていたという。
ホームセンターでは大手の「コーナン」だが、家電品開発なんてノウハウはないところから始めたから、PSE認証なんて適当でいいと思ってしまったんだろうな。

その分野の法規制や、最低限押さえるべき常識などに無知な人間だけで製品を開発し、発売するという典型的な怖さがここにある。

もちろん、大手メーカーだって、そうした失敗はなくはないが、企業イメージもあるので、大抵、事後処理はしっかりしている。
しかし、会社が小さいと、問題が発生すると、その対策のために企業が潰れることもしばしば。

ダイナコネクティブが自己破産申請

この会社も、格安の地デジチューナーをイオン独占で発売したものの、発売後に致命的なバグが発覚し、イオンから要求された不具合対策のせいで、あっさり倒産してしまった。

こうした問題に対し、消費者側でババを掴ませられない対策は難しいが、今はネットの時代なので、ちょっとでも怪しい点があったら、ネットで検索してみることだ。
問題ある商品、企業は、大抵、他でもトラブルを起こしているので、どこかで取り上げているケースが多い。
逆に言うと、そのぐらいしか、消費者側として有効な対策はないのかもしれない。

関連記事:






人気ブログランキングへ