どちらの家も、LPガスのボンベが玄関近くにあるため、そこまでガス管を引けばよく、ガス管の長さも短くて済み、比較的工事費は安価（30万円強）で済むようだ。
近所で、都市ガスを引くのをあきらめた家があり、理由を聞くと、いわゆる旗竿地で、引く必要があるガス管が長いため、費用も300万円以上と高くなるし、工事期間中駐車場も使えないなど、問題が多いからだそうだ。
こうした工事は、東京ガスの指定業者が行う必要があるらしく、いつのまにか勝手に決められた。こちらが複数業者に合い見積もりを出して、安い業者を選ぶ、みたいなことは出来なかったのだ。
近所がみな同じ業者という訳ではなかったので、おそらく事前に業者間で顧客分担を調整してあったのだろう。
担当だという指定業者が訪問してきたので、見積もりをお願いしたが、私の仕事が忙しいので、その後は、ほぼ奥さんに任せ切りだった。
ガス管を引く工事とあわせて、LPガス対応のガス機器を全部都市ガス対応に変換する必要があり、その見積もりも出してもらった。
我が家には、ガス給湯器、システムキッチンのガスコンロ、ガスファンヒーターがあり、実家にも、ガス給湯器、システムキッチンのガスコンロがあるので、買い換えず、アダプタをつけて対応するだけでも、相当な金額が掛かる。古いガスコンロは交換すると、さらに高くなる。
実は、亡き父親が東京ガスではないが、別の地域のガス会社に勤めていたので、こうしたガス機器やアダプタの原価はきわめて安く、工事自体も簡単だが、免許がある人しか工事が出来ず、競争がないビジネスなので、ボロ儲けなのは知っていた。
誰も住んでいない実家のほうのガス機器は、住む人が見つかったときに買い換えるつもりなので、今回は工事をしないこととし、奥さんを通じて、そう業者に伝えてもらった。
すると、奥さんに対し、業者は急に高圧的になり、機器工事なしで、配管工事は受けられないとゴネて、受け付けてもらえなかったそうだ。
呆れた。そんな決まりはどこにもないはずだし、東京ガスに直接文句を言ってやろうかとも思ったが、奥さんに、「直接話したいから、休日に来て欲しい」と業者に伝えてもらい、休日に会うことにした。
すると、奥さんから聞いたのと違い、いやに低姿勢。やっぱり人を見て態度を変えるらしい。
私も、まずは低姿勢に「２戸も同時に工事するし、１戸は住んでいないのはご存知ですよね。私もサラリーマンだし、工事費が一挙に掛かりすぎるのは困るので、金額を抑えたいのは理解して欲しい」と伝えた。
すると、申し訳なさそうではあるが、断固として「配管工事の後、動作試験が必要なので、どうしても機器工事も必要なんです」と言うので、「都市ガス用の卓上コンロを持っているので、それを試験用にお貸しすればいいですよね」と返した。
すると「配管工事だけでは商売にならないので、是非機器工事もお願いしたい。安いローンも組めますので」ときた。
さすがにしつこいので「私の父も○○ガスに長年勤めていたのですが、そんな決まり、聞いたことないですね。」というと顔色が変わり、「東京ガスに直接文句を言って、他の指定業者に変えてもらうから、もういいです。」と言うと、さすがに血相を変えて、謝りだした。
結局、機器工事は、人が住んでいない実家はしないことでOKとなった。
笑ったのは、実家の工事当日、こちらはわざわざ試験用の卓上コンロを準備していたのだが、結局工事完了まで、それを借りに来ることはなかったことだ。
工事担当者に、どうやってチェックしたのかを聞いたら、都市ガス用のコンロを持ってきていたので、それで動作チェックしたとのこと。
なんだ、機器工事なんかしなくても、試験できるんじゃん。
独占企業体のビジネスって、ボロいもんですな。
なので、東京電力の企業体質は大嫌いだが、じゃあ東京ガスが大好きかというと、そうでもないんだよな。
電気に続き、都市ガス事業も自由化るようなので、それによりこうした親方日の丸体質が改まればいいのになと思う。
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