ただ、「小浜ルート」は、建設費が掛かり過ぎるし、北陸新幹線が北陸から軽井沢などへの観光客でも潤っていることを考えると、京都を通らないルートは経営的に現実的ではないだろう。
「湖西ルート」は、「米原ルート」にくらべて建設費が高い上に、他にない強風対策が必要らしく、「米原ルート」と同じ問題を抱えることを考えると、実現性が厳しい。
あるとしたら、北陸新幹線の終点を京都に変更し、大阪への直接乗り入れを考えない妥協案か。
実際のところ、京都-大阪間は在来線で30分ほどだし、JR西日本、阪急電鉄、京阪電鉄があって本数も多く、それほど不便は感じないかもしれない。
「米原ルート」は、北陸新幹線の終点を米原駅とし、大阪への直接乗り入れを考えないなら、建設コストが一番安いし、開通も一番早くなる。
しかし、北陸民からすれば、米原で乗り換えなければいけないのは、利便性が下がるし、JR東日本としても経済効果は下がるのは望ましくない。
どれも、問題山積で、誰かが強引に政治的決着をしなければ、決まるとは思えない状況だ。
そこでふと、一つ、妙案を思いついた。
基本的に「米原ルート」なのだが、東海道新幹線ではなく、東海道本線に接続する妥協案だ。
フリーゲージトレイン、実用化に暗雲 不具合で試験中断:朝日新聞デジタル開通する頃には、さすがに軌間可変電車(フリーゲージトレイン)も実用になっているだろうから、大阪駅から、狭軌の東海道線にフリーゲージトレインを走らせ、米原駅から広軌の北陸新幹線に乗り入れる。
この新案のメリットは、次の通り。
・「米原ルート」自体のメリットで、建築費が一番安くで済む。
・東海道新幹線を抱えるJR東海との協議が不要で、上越妙高駅以西はJR西日本により運行されるので、JR西日本が自分で決めて乗り入れを検討できる。
・JR西日本としても、新大阪駅より、直接大阪駅に乗り入れてもらえる方が、経済効果も高くなる。
・新大阪駅から大阪駅へは乗り継ぎも含めて15分程度かかり、その時間も短縮できる。
・東海道線もダイヤはキツいが、東海道新幹線ほどではないし、現状でも大阪からは米原終点までの列車が多いことを考えれば、それの一部が、さらに北陸新幹線まで乗り入れる運用は考えられる。
・米原駅経由で、大阪駅だけでなく、名古屋駅への直通乗り入れも可能になる。
もちろん、デメリットはある。
・米原駅-大阪駅間は、在来線となるため最高130km/hぐらいまでしか速度を出せない。
・フリーゲージトレインは、開発が遅延しており、予定通りに完成するのかどうか不安が持たれている。
・米原経由だと遠回りになるため、大阪駅から敦賀駅まで、最大一時間半程度かかる可能性がある。
ただ、利用目的を考えれば、実現性はありそうだんだが・・・と思ってググったら、こんな記事を発見。
【北陸新幹線開業】延伸計画未定…「フリーゲージトレイン」で大阪直通 JR西、導入検討(1/2ページ) - 産経WEST「日本海縦貫新幹線」は可能か。分断された「大阪~新潟」をフリーゲージトレインで結ぶ夢 | 旅行総合研究所タビリス北陸新幹線、敦賀以西の延伸に「正解」はあるのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイトJR西日本は敦賀-大阪間開業までの暫定措置として、レール幅の広い新幹線と狭い在来線を直通運転できるフリーゲージトレインの導入を検討しているという。
また、大阪から新潟までフリーゲージトレインを使い、3時間半で直結するプランもあるみたいだ。
フリーゲージトレインの開発は難航していて、北陸新幹線の敦賀開通の平成34年には厳しそうだが、その後の米原までの延長には十分間に合いそう。
だとしたら、ますます、無理してフル規格の新幹線を大阪まで延ばさなくても、米原まででいいじゃないかという気がしてくるな。
そのためにも、フリーゲージトレインの開発上の問題を解決し、早く開発の目処を立てて欲しいところだ。
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