講談社のAmazon抗議文書に見る、電子書籍ビジネスの行方 | DIGIDAY[日本版]

日本でもスタートしたAmazonの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で、講談社などの人気コンテンツが突如削除され、出版社が抗議するなどトラブルが生じているが、この原因の元はといえば、日本の電子書籍市場が、他の国とは異質で、全ページ画像でデータ量も多いマンガ本が主体であることに端を発している。

マンガだと、活字本に比べて読む速度が格段に速いので、一人あたりの読書冊数がやたら多くなり、出版社に支払う料金が想定外に膨れ上がってしまったらしい。
それなのに、他の国の料金体系の設定を日本に持ってきてしまったので、採算が合わなくなったのが、今回のトラブルの元だと言える。

この日本特有の電子書籍におけるマンガ問題は、日本に初めて進出の時から、Amazonにとって悩ましい問題のようで、3G通信内蔵のKindle Readerでは、通常Amazonで購入した電子書籍は、通信料金無料でダウンロードができるのだが、日本に限っては、マンガ本について無料通信の対象外となり、Wi-Fiでしかダウンロードできない。
これも、マンガ本のデータ量が膨大で、あまりにパケットを消費し過ぎて採算が取れないためだったという。

これまで、あくまでグローバルビジネスにこだわり、全世界統一のビジネスモデルや端末を押し付けてきたAmazonだが、とうとうローカルな日本固有の市場形態を認めた上で、本格的な対策を打ってきたのが、今回発売される「Kindle Paperwhite 32GB マンガモデル」で、その意味で注目だろう。


ニッポンだけのKindleが登場、「Paperwhite 32GB マンガモデル」 - ケータイ Watch