次に、日本語の読み仮名から、同音異義語を正しく判定しながら、意味を解析する部分が、英語などにない言語モデルが必要だったという部分だが、実は、この部分の技術は決して新しいものではなく、枯れた技術だ。
ATOKなどのかな漢字変換では、まさにこれをやっていて、主語や目的語につく動詞との組み合わせの相関度を考慮し、もっとも確からしい同音異義語を選択して、漢字に変換するために、(古典的な)AI辞書を持っている。
例えば、「あめがるふ」の「あめ」は、降るという動詞と結びつきが強い「雨」を選ぶべきだし、「あまいあめ」の「あめ」は、甘いという形容詞と結びつく「飴」を選ぶべきであることを、AI辞書をベースに判断するのだ。
おそらく、Amazonも、こうしたかな漢字変換の技術に精通しているエンジニアをハントして、Alexaの日本語対応を実現したものと思われる。
果たして、Alexaが、この(古典的な)AI辞書に対しても、ディープラーニングのスキームを新たに導入して、さらに進化いるのかどうかは定かではないが、Googleに比べて「あまり賢くない」と言われるAlexaが、日本語に対してはどの程度賢いのかは、楽しみだな。
「Amazon Echo」の開発環境が日本語版「Alexa」に対応。スキルの開発が可能に | ロボスタさて、「Amazon Echo」には、スキルと呼ばれる音声アプリを、誰でも開発することができるスキル開発支援ツール「Alexa Skills Kit (ASK)」、Alexa搭載スマートデバイス開発リソース「Alexa Voice Service (AVS)」が提供されているが、その日本語対応も発表された。
Alexaのスキルでは、基本的に無料のものしか作れず、有料販売やアプリ内課金はできないらしいのだが、その代わりに、Amazonが特定のカテゴリのスキルに対して、人気の高いスキルを開発した人に現金で報酬を支払うプログラムを実施しているらしい(日本での実施は不明)。
それが、他社を圧倒する2万ものスキルという数に現れていいるのだろう。
アマゾン、日本語版「Alexa」スキルの一覧を大公開! いきなり「250種以上」のスキルが登場 | ロボスタ実際、発売と同時に発表された日本語版のスキルは、すでに250種類を超えるというからすごい。
一覧表では名称しか記載されていないので、具体的な機能詳細は分からないのだが、いくつか気になるスキルを見ていくと、
・radiko.jp:一番使いそうなので、対応してくれていてうれしい。できれば、最初からエリアフリーには対応してほしいところだが。
・AbemaTV:これは、FireTV端末と連携して、テレビで選局までできるのだろうか? だったら凄いが。
・Watch Videoニュース:これもFireTV端末と連携して、テレビ動画再生までできるのだろうか?
・iRobot Home:ロボット掃除機iRobotも早速日本語対応するようだ
・ラジオクラウド:アプリが探しにくいだけに、音声で検索して聴けるならこれは嬉しい。
・ピカチュウトーク:なんだこれ? ピカチュウと会話?できるのか??
音声ニュース関係が充実しているのは予想していたが、思ったよりバラエティに富んでいるな、という印象だ。
一方、正直、ぐるなびスキルでお店を教えてもらえても、音声で言われてメモするのは大変だから、スマホの方が便利だと思うし、経路検索のスキルなんかも、同様に結果のメモが大変だし、同音の違う駅も多いし、それをどう選ぶのかを考えても、音声だから便利だとは思わない。
銀行や電力会社のスキルもあるが、もし、貯金の残高参照などもできてしまうのだとしたら、セキュリティはどうなっているのか不安に感じてしまうな。
ただ、このスキルの一覧を眺めているだけで、買う前からワクワクしているのは確か。
手に入ったら、色々試してみたいと思う。
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