走り始め、アクセルを踏み込むと、まずはエンジンの回転数が早めに上がり、エンジン音がうるさいが、車速が上がるまで割と時間がかかる。
CVTでは一般的な挙動ではあるのだが、先に乗った「eKクロススペース」より、その傾向が強い感じだ。
「タント」はガソリンエンジン車しかないので、マイルドハイブリッドを搭載し、若干ながらモーターアシストがある「eKクロススペース」より、若干の出足の鈍さがあるのかもしれない。
速度が上がると、その後はターボが効くせいか、上り坂も、それほどアクセルを踏み込まなくても、ストレスなく快適に走れる。
また、速度が上がるとあるポイントで、マルチファンクションディスプレイのハンドルの向こうの正面に、ACCが車線を認識したことを知らせる表示が出て、レーンキープが行われる。
この辺はいい。
ただ、赤信号でフットブレーキで停止すると、アイドリングストップでエンジンが止まるのだが、再度アクセルを踏むと、キュルルというセルモーターの大きな音が鳴って、それから車が動き始めるのに違和感を感じる。
「eKクロススペース」でも、アイドリングストップしていたはずだが、再始動時にブレーキペダルを離した時点で、クリープが発生し車が動き始めるし、その後アクセルを踏んだときに、セルモーターの音が気になった記憶がない。
信号の停止時はまだいい。
例えば右折待ちの状態で、フットブレーキを踏んでも、アイドリングストップになるから、対向の直進が途切れたタイミングを図って、アクセルを踏むと、そこからセルモーターの盛大な音が鳴り、一瞬遅れて動き始めるため、アイドリングストップに慣れない私は、若干の怖さを感じてしまった。
他の車も気を付けていたら、実際には、アイドリングストップを行う他の車でも同様の現象は起きるらしいのだが、もっとしっかりセルモーターが遮音されていて、よく聞かないとセルモーターが動いたことが分からないほど小さなか音しか聞こえないことが判明。
「タント・カスタム」のセルモーターの騒音は、そこだけが昔の軽のイメージを引きずっていて、ダイハツが何故この問題を解決しようとしないのかが、理解不能だ。
一方、AACや電動パーキングブレーキなどの最先端機能も多い中、「ワンタッチウィンカー」という電子式のウィンカーが採用されているのだが、こちらも初体験で物凄く違和感があった。
これはウィンカーのレバーを左右に倒すと、勝手に元に戻ってしまい、3回ほどウィンカーが点滅して点滅も止まるもの。
ウィンカーの戻し忘れが防止できるのがメリットとのことだが、自分でウィンカーを止めることができず、止めるには、ウィンカーを反対側に倒す必要があるのは、ハッキリ言って変だ。
3回程度の自動点滅も、早めにウィンカーを出す人間には、短すぎると思う。
慣れの問題もあるのかもしれないが、私は、これが決して使いやすいとは思わなかった。
ということで、「タント・カスタム」は、ミラクルオープンドアや、パッケージングのよさなど、いい点もあるのだろうが、試乗の感想としては、アイドリングストップの再始動、ワンタッチウィンカー、走り始めの走りの鈍さ、HVモデルがなく燃費が劣るという4点が気になり、早くも購入候補から脱落した。
ダイハツの軽ハイブリッドは今後どうなる? スズキに後れをとって崖っぷち!? トヨタから供給を受けるのか? - 自動車情報誌「ベストカー」ただ、営業さんにそのことを伝えたら、昨年11月に発売されたコンパクトSUV「ロッキー」に搭載されたシリーズハイブリッド方式の「e-スマートハイブリッド」が、軽では近々「タント」から搭載されるため、それで多くの問題点は解決するはずだという。
しかも、バッテリー容量は「ロッキー」より小さくはなるが、他社のマイルドハイブリッドではなく、ちゃんとしたシリーズハイブリッドなので、燃費はスズキを上回れるはずだという。
スズキには敵対心むきだしだったな。
早まらず、もうちょっと待ってくれ、とのことなので、完全には候補外とはせず、新モデルのチェックは続けるが、現時点では、購入候補からは一歩後退したと言わざるを得ない。
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