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自動運転車を導入するための社会制度試案 [乗り物]

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前回、高齢化が進む日本社会に、自動運転車の早期導入を進めることが必要になるのではないかと書いたが、それを実現する方策について、様々な観点から具体的な案を考えてみた。

(1)自動運転車自体の仕様
・自動運転機能は、一般道を自動で走れ、緊急時のドライバー操作も不要なレベル5を前提とする。
・ただし、レベル5の自動運転機能で対応可能な緊急事態については、一定のレベルにとどめ、大幅なコストアップを避けることで、軽自動車にも搭載可能な機能とする。
・緊急事態への対応レベルを下げることに対しては、社会的制度を整備(後述)することで安全性を担保する。
・自動運転車は、周辺を走る車両(自転車も含む)、歩行者から、自動運転車であることが一目でわかるようにする。
・自動運転車は、四方の映像や走行ログを保存するドライブレコーダーを搭載し、重大事故発生時にも記録データが必ず取得できるものとする。

(2)自動車運転限定免許の制度
・自動車運転限定免許は、自動運転車を、自動運転を有効にした状態でのみで利用できる免許とする。自動車運転限定免許で、手動運転を行うのは道交法違反とする。
・自動車運転限定免許は、給油や、車検や日常のメンテナンスなどの講習を受け、簡単なテストに合格すれば、教習所に長期間通うことなく、高齢者、身体障がい者など、誰でも取得できるものとする(通常の自動車運転免許を取得できる運転技能は必要としない)。
・通常の自動車運転免許では、自動運転車を、自動運転でも、手動運転でも、どちらでも運転できるが、交通法規上の責任は、自動運転中でも、手動運転と同様の責任を負う。
・他方、運転者の設定が必要ない業務用自動車運転限定免許制度も用意し、人ではなく事業者が免許を取得できるようにする。これにより、無人のバスやトラックが自動運転で、人や物を配送することが可能となる。
・この場合、自動運転車の車検や日常のメンテナンスも、業務用自動車運転限定免許を持つ事業者が行う。

(3)自動運転保険の制度
・自賠責保険のような形で、自動車運転限定免許を持ち自動運転車に乗車する人間、車両に対し、強制的な自動車保険を提供する。
・自動運転保険には、自動車メーカーの生産台数と自動運転車の事故率に応じた分担金を出資させ、保険料を安く抑えると同時に、自動車メーカーにとっても、技術開発で自動運転車の事故率が下がれば、その分、分担金を減らせるスキームを定める。
・自動運転保険が保証を行うケースについては、(4)で後述。

(4)事故時の責任分担
・事故時の責任分担は、自動運転車に搭載されるドライブレコーダーのデータなどをベースに、客観的に決定される。
・事故発生時に、自動運転車の不具合が疑われる場合、そのドライブレコーダーの解析については、自動車メーカーが関与しない第三者機関を設立し、そこが判断を行う。
・自動運転車を、自動車運転限定免許を保持する人が自動運転機能を有効にして走行する場合、一般車両(自転車も含む)は、その走行を、危険行為などで妨害してはならず、走行を妨害するだけでも道交法違反となる。
・さらに、一般車両の危険行為が原因で、自動運転車事故との事故が発生した場合は、その事故の責任は一般車両が100%負う。
・自動運転車と一般車両との事故発生時に、一般車両側に危険行為が認められた場合は、その保障は、一般車両が加入する自動車保険で行われる。
・ドライブレコーダーの解析でも、事故相手の一般車両に危険行為がなく、自動運転車側の自動運転機能の不具合が事故原因である場合は、完全自動運転車のメーカーが事故の責任を負い、メーカーが製造物責任法に従い保障する。
・自動運転車同士の事故の場合は、両者のドライブレコーダーの解析に基づき、責任分担を決定し、それぞれのメーカーが製造物責任法に従い保障する。
・自動運転車の自損事故も、基本的に、自動車メーカー側で全責任を負い、製造物責任法に従い保障する。ただし、対人、対物事故避けるための自損事故や、自然災害が原因の自損事故であった場合は、その保障は、前述の自動運転保険から拠出される。

・以上のルールが適用されるのは、自動車運転限定免許を持つ人間が、自動運転車で走行する場合のみとする。一般の自動車免許を持つ者が、自動運転状態で事故を起こした場合は、事故発生時の責任分担は手動運転の場合と同じとし、一般の自動車保険でカバーする。

以上、まとめると。

ポイントは、自動運転車を持っていても、通常の自動車運転免許で運転したいという人間は、事故発生時の責任は、手動運転と同じだよと、割り切ったこと。
普通の自動車運転免許で自動運転を使いたいという場合は、「楽をしたい」ということでしかないので、あえて責任は手動運転と同じとし、純粋に自動運転車の不具合だった事故のみ、自動車メーカーが製造物責任を負うものとする。
そのことにより、事故が起きた場合の責任分担ルールが、従来より複雑になるのを回避する。

一方、自動運転車に頼らざるを得ない人間や、インフラとして活用する自動運転のバスやトラックなどに対しては、もみじマークや若葉マーク以上の優先待遇を、周りの一般車両に義務付け、安心して自動運転車が走れる仕組みづくりを行う。
ユーザーが自動運転車を何も操作しない限り、事故発生時も、基本的に、要因は一般車両の側にあるか、あるいは、自動運転機能自体に問題があるかだけであり、ドライブレコーダーのデータがあれば、その切り分けは容易となる。

自動運転車の実現が難しい理由の一つとして、一般道で、あらゆる例外的な状況に柔軟に対応することが難しいことが挙げられるが、路上で、人間を除いて、自動運転車の走行を最優先で優遇する社会的規範を作り上げることで、自動運転車が対応を保証すべき例外状況はかなり減らせるはずだ。

このように社会的に自動運転車を優遇することで、自動運転車が対応すべき緊急時対応のレベルも、あらゆるケースに対応する複雑で高コスト機能である必要はなく、比較的低コストな自動運転機能でよくなるはずであり、それにより、安価で軽自動車にも載り、早期の市場導入が見込めるようになるだろう。

こうした社会規範が徹底できるかどうかは、全世界的に見ればかなり難しいと思うが、日本であれば、可能である気がする。

以上、私の妄想案、いかがでしょうか?

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