浄水器「ピュリフリー」の浄水性能について考察する [便利グッズ]
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浄水器「ピュリフリー」の公式サイトに記載された浄水性能と、私が利用している神奈川県水道局の水道の安全基準値と、我が家に比較的近い鎌倉の検査ポイントでの実測値を、以下に表にまとめてみた。
浄水器 キッツマイクロフィルター ピュリフリーが届いたのでレビュー (1) ~ 取り付けてみる - クラベル (旧)
浄水器の性能値については、他のサイトでも誤った解釈をしているところがあったので、説明しておきたい。
浄水器の性能を表記するとき、JISで規定された有利残留塩素から溶解性鉛までの13物質のうち、濁りを除く他の物質は、除去率80%となる場合の総ろ過水量として、性能が表記している。
この記載を読んだのか、例えば、購入検討者の「塩素の除去性能はどのぐらいですか?」という質問に対し「80%」ですと、回答している業者さんがいたのだが、この回答は明らかに間違っている。
この表が意味するところは、浄水器の除去率が、その物質に対し常に80%あるということではないからだ。
当たり前だが、浄水器のフィルターは、新品に近いときは、80%よりずっと高い除去率があり、それが、長く使い続けるうちに、除去の対象物質がフィルターに吸着してゆき、徐々に除去性能が低下してゆく。
ある物質の国の基準値の含有量の水に対し、その除去率が80%に下がるまで、どれだけの水が処理できるかを示しているのが、総ろ過水量という数値なのだ。
例えば、この表では、有利残留塩素は、除去率が80%落ちるまで、30,000Lの水をろ過することができるということになる。
一日10Lの水を使う場合(我が家の場合だと、キッチンで10Lも使わないとは思うが)、2年間に換算すると7,300Lとなるから、塩素の除去にだけについて言えば、計算上、8年以上はこのフィルターを使い続けることができることになる。
では、13物質の中で、どのフィルターが最初に劣化するかを表から見てみると、総ろ過水量8,000Lの総トリハロメタンと、クロロホルムであることが分かる。
これらの物質の除去性能は、一日10Lの水を使う場合だと、2年強で、フィルターがJIS基準の除去率80%を満たせなくなることが分かる。
そのため、この製品では、JISの13物質の除去性能を維持するため、フィルター本体を、「2年に一度交換してください」と言っている訳だ。
ただ、この総トリハロメタンと、クロロホルムの神奈川県水道局の、我が家に近い検査ポイントでの検査結果を見ると、面白いことが分かる。
総トリハロメタンの基準値は、0.1mg/L以下で、クロロホルムの基準値は、0.06mg/L以下となっているので、JIS規格として浄水器の性能を計るときは、この基準値の水を通し続けて、どれだけの水を処理できるかを計っているはずだ。
ところが、実際の我が家の水道には、総トリハロメタンが最大でも0.025mg/L、クロロホルムは最大でも0.016mg/Lという、基準値の約1/4の量しか含まれていない。
しかも、この表に記載した実測値は、1年間で最も悪い数値(大抵は夏場)を記載したものなので、実は、1年を通じた平均で見れば、この値よりもっと少ない値となることにはご注意頂きたい。
すなわち、我が家の水道でこの浄水器を使い続けた場合は、最も寿命が短い総トリハロメタンと、クロロホルムについても、浄水器のカタログスペックより、約4倍の量の水を処理できる可能性があるということになる。
もちろん、浄水器自体の時間経過に伴う劣化もあるだろうし、複数の有害物質が含まれている水をろ過した場合、計測条件より寿命が短くなる可能性が高いため、「4倍の8年間、使い続けられるはず」とまでは言うのは乱暴過ぎる。
ただ、メーカーが寿命と言っている2年の倍の「4年使っていても、あまりフィルターの劣化が見られない」というレビューを見かけたが、それは、その土地の水質次第では十分あり得る話であることが分かる。
さて、我が家で使い始めた浄水器「ピュリフリー」のフィルター寿命について、本当の結果が出るのはまだまだ先の話になる。
それ以前に、切替コックやホースの汚れの方が目立ってくるはず(樹脂製なので、特に夏場はカビが気になるはず)で、そのメンテも含めて、途中経過をまたレポートしたいと思う。
関連記事:
浄水器「ピュリフリーPF-W4」を取り付けた:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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浄水器「ピュリフリー」の公式サイトに記載された浄水性能と、私が利用している神奈川県水道局の水道の安全基準値と、我が家に比較的近い鎌倉の検査ポイントでの実測値を、以下に表にまとめてみた。
浄水器 キッツマイクロフィルター ピュリフリーが届いたのでレビュー (1) ~ 取り付けてみる - クラベル (旧)
ピュアフリー仕様 | 神奈川県水道局 | ||
---|---|---|---|
ろ過対象物 | ろ過性能 | 水道基準 | 水道実測値 |
有利残留塩素 | 総ろ過水量30,000L(除去率80%) | 0.1mg/L以上 | 0.5mg/L |
濁り | 総ろ過水量30,000L(ろ過流量50%) | 2度以下 | <0.1度 |
総トリハロメタン | 総ろ過水量8,000L(除去率80%) | 0.1mg/L以下 | 0.025mg/L |
クロロホルム | 総ろ過水量8,000L(除去率80%) | 0.06mg/L以下 | 0-0.016mg/L |
プロモジクロロメタン | 総ろ過水量14,000L(除去率80%) | 0.1mg/L以下 | 0.0022mg/L |
ジブロモクロロメタン | 総ろ過水量15,000L(除去率80%) | 0.1mg/L以上 | 0.5mg/L |
プロモホルム | 総ろ過水量19,000L(除去率80%) | 0.09mg/L以下 | 0.0002mg/ |
テトラクロロエチレン | 総ろ過水量17,000L(除去率80%) | 0.01mg/L以下 | <0.0001mg/L |
トリクロロエチレン | 総ろ過水量12,000L(除去率80%) | 0.01mg/L以下 | <0.0001mg/L |
1.1.1.トリクロロエタン | 総ろ過水量9,000L(除去率80%) | (データなし) | (データなし) |
CAT(農薬) | 総ろ過水量80,000L(除去率80%) | (データなし) | (データなし) |
2-MIB(カビ臭) | 総ろ過水量36,000L(除去率80%) | 異常でないこと | 異常なし |
溶解性鉛 | 総ろ過水量8,000L(除去率80%) | 0.01mg/L以下 | <0.001mg/L |
鉄(微粒子状) | 〇 | 0.3mg/L以下 | <0.01mg/L |
アルミニウム(中性) | 〇 | 0.2mg/L以下 | 0.03mg/L |
細菌 | 除去率99.999% | 1mL中100個以下 | 1mL中0 |
浄水器の性能値については、他のサイトでも誤った解釈をしているところがあったので、説明しておきたい。
浄水器の性能を表記するとき、JISで規定された有利残留塩素から溶解性鉛までの13物質のうち、濁りを除く他の物質は、除去率80%となる場合の総ろ過水量として、性能が表記している。
この記載を読んだのか、例えば、購入検討者の「塩素の除去性能はどのぐらいですか?」という質問に対し「80%」ですと、回答している業者さんがいたのだが、この回答は明らかに間違っている。
この表が意味するところは、浄水器の除去率が、その物質に対し常に80%あるということではないからだ。
当たり前だが、浄水器のフィルターは、新品に近いときは、80%よりずっと高い除去率があり、それが、長く使い続けるうちに、除去の対象物質がフィルターに吸着してゆき、徐々に除去性能が低下してゆく。
ある物質の国の基準値の含有量の水に対し、その除去率が80%に下がるまで、どれだけの水が処理できるかを示しているのが、総ろ過水量という数値なのだ。
例えば、この表では、有利残留塩素は、除去率が80%落ちるまで、30,000Lの水をろ過することができるということになる。
一日10Lの水を使う場合(我が家の場合だと、キッチンで10Lも使わないとは思うが)、2年間に換算すると7,300Lとなるから、塩素の除去にだけについて言えば、計算上、8年以上はこのフィルターを使い続けることができることになる。
では、13物質の中で、どのフィルターが最初に劣化するかを表から見てみると、総ろ過水量8,000Lの総トリハロメタンと、クロロホルムであることが分かる。
これらの物質の除去性能は、一日10Lの水を使う場合だと、2年強で、フィルターがJIS基準の除去率80%を満たせなくなることが分かる。
そのため、この製品では、JISの13物質の除去性能を維持するため、フィルター本体を、「2年に一度交換してください」と言っている訳だ。
ただ、この総トリハロメタンと、クロロホルムの神奈川県水道局の、我が家に近い検査ポイントでの検査結果を見ると、面白いことが分かる。
総トリハロメタンの基準値は、0.1mg/L以下で、クロロホルムの基準値は、0.06mg/L以下となっているので、JIS規格として浄水器の性能を計るときは、この基準値の水を通し続けて、どれだけの水を処理できるかを計っているはずだ。
ところが、実際の我が家の水道には、総トリハロメタンが最大でも0.025mg/L、クロロホルムは最大でも0.016mg/Lという、基準値の約1/4の量しか含まれていない。
しかも、この表に記載した実測値は、1年間で最も悪い数値(大抵は夏場)を記載したものなので、実は、1年を通じた平均で見れば、この値よりもっと少ない値となることにはご注意頂きたい。
すなわち、我が家の水道でこの浄水器を使い続けた場合は、最も寿命が短い総トリハロメタンと、クロロホルムについても、浄水器のカタログスペックより、約4倍の量の水を処理できる可能性があるということになる。
もちろん、浄水器自体の時間経過に伴う劣化もあるだろうし、複数の有害物質が含まれている水をろ過した場合、計測条件より寿命が短くなる可能性が高いため、「4倍の8年間、使い続けられるはず」とまでは言うのは乱暴過ぎる。
ただ、メーカーが寿命と言っている2年の倍の「4年使っていても、あまりフィルターの劣化が見られない」というレビューを見かけたが、それは、その土地の水質次第では十分あり得る話であることが分かる。
さて、我が家で使い始めた浄水器「ピュリフリー」のフィルター寿命について、本当の結果が出るのはまだまだ先の話になる。
それ以前に、切替コックやホースの汚れの方が目立ってくるはず(樹脂製なので、特に夏場はカビが気になるはず)で、そのメンテも含めて、途中経過をまたレポートしたいと思う。
関連記事:
浄水器「ピュリフリーPF-W4」を取り付けた:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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