シャープが「MEMS-IGZOディスプレイ」を2017年に量産 [デバイス・素材]
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機械的シャッターで表示を制御するMEMSディスプレイについては、以前、将来有望な技術だと思い、取り上げたことがある。
MEMSディスプレイは電子書籍リーダーを変えるか?(1) 書籍表示の問題点
MEMSディスプレイは電子書籍リーダーを変えるか?(2) 液晶表示と比べて
MEMSディスプレイは電子書籍リーダーを変えるか?(3) 電子ペーパーと比べて
2010年11月に書いたみたいだが、その後、ジャパンディスプレイ(当時は日立ディスプレイ)ではあまり進展がなく、どうなったのかな?と思っていた。
シャープ、MEMS-IGZOディスプレイを2017年量産。-30度でも動作 - AV Watch
これまでの液晶と何が違うのか? - シャープの次世代液晶技術「MEMS-IGZO」 (1) シンプルな構造でさらなる低消費電力化を実現したMEMS-IGZO | マイナビニュース
そこに、シャープから、IGZO液晶ディスプレイを、MEMSシャッターで制御する「MEMS-IGZOディスプレイ」を2017年に量産することが発表された。
ジャパンディスプレイの試作も、当時はベンチャー企業だった米Pixtronix社との共同開発だったが、今回も、Pixtronix社との共同開発で、技術的源流は同じだが、シャープ独自のIGZOディスプレイに適用した点が違う。
なお、Pixtronix社は、米Qualcommに買収され、子会社になったみたいだ。
したがって、今回のディスプレイの良さは、以前私が書いた記事とほぼ同じで変わっていないので、上のリンク先をご一読いただきたい。
今回、新しいのは、階調制御に関して詳しい制御方法が公開された点か。
今回、シャープが公開したのは、7型MEMS-IGZOディスプレイの試作パネル。
解像度は1,280×800ドット。製品化時には、一般にRetinaと呼ばれている500~600ppiの高解像度を目指すという。
ただ、一般的な液晶ディスプレイに比べ、構造的に画面サイズが小さいほど高精細化は難しくなるため、まずは、7インチ以上のタブレット端末用やカーナビ用のディスプレイが、メインターゲットになるようだ。
MEMS-IGZOディスプレイは、MEMSシャッターとスリット、LEDバックライトだけという単純な構造。RGBのLEDバックライトが順次点灯する時分割表示方式で、画素毎にMEMSシャッターが高速で開閉制御して、色や階調を表現する。
シャッターの開閉速度は約100マイクロ秒とのことなので、確かに、液晶の応答速度に対して十分速い。
総括すると、カラーディスプレイとしては、低消費電力でTFT液晶並みの画質を実現でき、モノクロディスプレイとしては、E-ink(電子ペーパー)並みの画質と、それに近い超低消費電力と、E-inkを超える応答性能を実現できる。
また、-30度でも動作するなど対候性能も優れ、環境条件が厳しい車載機器用のディスプレイとしても、期待されているようだ。
弱点としては、色や階調を、MEMSシャッターによる時分割駆動で生成するため、動画の表示で、プラズマディスプレイなどにもあった擬似輪郭と呼ばれるノイズが出やすい可能性があること。
モノクロ表示でも、階調表示をしようとすると、低周期とはいえシャッターを動かし続けなければいけないので、さすがにE-inkと同等の超低消費電力までは実現できないことか。
2010年に、私のブログで取り上げた時からは随分時間は経ったが、あと3年後には、ようやくMEMSディスプレイによる革命が起きるかも。
今からワクワクするな。
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したがって、今回のディスプレイの良さは、以前私が書いた記事とほぼ同じで変わっていないので、上のリンク先をご一読いただきたい。
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解像度は1,280×800ドット。製品化時には、一般にRetinaと呼ばれている500~600ppiの高解像度を目指すという。
ただ、一般的な液晶ディスプレイに比べ、構造的に画面サイズが小さいほど高精細化は難しくなるため、まずは、7インチ以上のタブレット端末用やカーナビ用のディスプレイが、メインターゲットになるようだ。
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シャッターの開閉速度は約100マイクロ秒とのことなので、確かに、液晶の応答速度に対して十分速い。
総括すると、カラーディスプレイとしては、低消費電力でTFT液晶並みの画質を実現でき、モノクロディスプレイとしては、E-ink(電子ペーパー)並みの画質と、それに近い超低消費電力と、E-inkを超える応答性能を実現できる。
また、-30度でも動作するなど対候性能も優れ、環境条件が厳しい車載機器用のディスプレイとしても、期待されているようだ。
弱点としては、色や階調を、MEMSシャッターによる時分割駆動で生成するため、動画の表示で、プラズマディスプレイなどにもあった擬似輪郭と呼ばれるノイズが出やすい可能性があること。
モノクロ表示でも、階調表示をしようとすると、低周期とはいえシャッターを動かし続けなければいけないので、さすがにE-inkと同等の超低消費電力までは実現できないことか。
2010年に、私のブログで取り上げた時からは随分時間は経ったが、あと3年後には、ようやくMEMSディスプレイによる革命が起きるかも。
今からワクワクするな。
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