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フランク・ミュラーがフランク三浦を訴えた問題の誤解 [企業・ビジネス]

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フランク三浦が勝訴 フランク・ミュラーの主張認めず:朝日新聞デジタル

【老師オグチの家電カンフー】 第9回:フランク三浦と真似ロンダリング - 家電 Watch

スイスの高級時計メーカー「フランク・ミュラー」が、「フランク三浦」を訴えた件で、「フランク三浦」側が勝訴した件について、私の奥さんも含め、周りで勘違いしている人が多いので一言。

今回「フランク三浦」側が勝訴した裁判の争点は、そもそも、「フランク三浦」という商標登録が有効か無効かの判断だった。
このブランド商標が、「フランク・ミュラー」とは「イメージや外見が大きく違う」ことから、商標の無効訴訟が認められなかったに過ぎない。

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元々「フランク・ミュラー」が問題視していたのは、「フランク三浦」から発売されているデザインが「フランク・ミュラー」の製品と似た、「フランク三浦」はパロディ商品と主張する腕時計の存在だ。

だったら、本来的な手続きとしては、個々の商品について、物品の形状・模様・色彩のデザインの創作についての権利である「意匠権」を、「フランク三浦」が侵害しているかどうかを、「フランク・ミュラー」は裁判で競うべきなのだ。

ところが、腕時計業界の現状を見ると、時計の心臓部であるムーブメントは、大抵日本メーカー製であり、「フランク・ミュラー」のようなブランド時計メーカーは、ムーブメントを納める外側をデザインし、製造しているに過ぎない。
そして、こうしたブランド時計は、1モデルの生産台数は非常に少なく、どんどん新しいデザインの時計が発売されるため、一つ一つの製品に対して、「意匠権」の侵害を裁判で競うのは割が合わないのだと思う。
詳しくは知らないが、ひょっとしたら「フランク・ミュラー」側でも、お金の掛かることなので、すべての製品のデザインを日本で意匠登録していないのかもしれない。

困った「フランク・ミュラー」としては、「フランク三浦」という商標自体が無効であるという判決を勝ち取ることで、「フランク三浦」の製品を一網打尽にしようと考えたのだろうが、それが今回の裁判では認められず、「フランク・ミュラー」のもくろみは外れたということだ。

ただ、注意しなければいけないのは、今回の裁判で明確になったのは、「フランク三浦」という商標が日本では有効である、ということだけであることだ。

もし、「フランク三浦」が、実際に「フランク・ミュラー」の腕時計に類似した製品を販売していて、しかも、日本でそのデザインが意匠登録しているとしたら、「フランク・ミュラー」が「フランク三浦」に意匠権訴訟の裁判で勝訴できる可能性は高いだろう。

今回の判決は、あくまで「フランク三浦」というブランド名の独自性が認められたというだけで、出している商品については何も言及している訳ではないからだ。
そこんところ、私の奥さんも完全に勘違いしていたようだが、皆さんもお間違いないように。

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