「富岳」で日本がスパコン世界一に [科学技術]
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スパコン世界ランキング 「富岳」4部門で世界一に | NHKニュース
スパコン世界ランキングを年に2回発表しているTOP500が、第55回目となる6月のランキングを発表したが、富士通と理化学研究所が開発した国産スパコンの「富岳」が、演算性能を競うHigh Performance Linpack(HPL)で415.5PFLOPSという結果を叩き出し、日本としては、8年半ぶりに首位に立ったそうだ。
前回首位で今回は2位のIBM製Summitは148.8PFLOPSに比べて、約2.8倍の性能で、圧倒的な差をつけての首位だ。
しかも、「富岳」は、基本となる演算能力だけでなく、ビッグデータ、実用アプリ、AIのベンチマークの6部門中4部門で首位を獲得しており、幅広い分野で高性能を発揮できるという。
こうしたスパコンでは、単純な演算処理が得意なGPUコアを多数使って、高い性能を達成するものが多かったが、GPUが得意なアプリケーションは広くはない。
ASCII.jp:世界1位のスパコン富岳は競争のために作ったわけじゃない (1/5)
「富岳」は、ARMコアをベースにスパコン用拡張を加えたCPUを、ワンチップに多数集積するアプローチを取った。
「富岳」では、このCPUコアを52個集積搭したLSI「A64FX」を開発し、これ1個でも、浮動小数点演算性能は3TFlopsもあり、メモリバンド幅は1024GB/sを実現するという。
消費電力1ワットあたりの性能でも、16.876 GFLOPS/Wを達成し、世界トップクラスの消費電力性能であるという。
汎用CPUをコアとするアーキテクチャを採用することにより、基本の演算処理だけでなく、ビッグデータ解析やAI処理など、幅広い分野で高い性能を発揮するスパコンにできたようだ。
すでに新型コロナウイルス感染症対策の研究などで実績を上げ始めており、今後は、創薬や高性能な材料の開発、気象・温暖化予測などに利用される予定だそうだ。
日本のスパコン「富岳」が世界一に=中国ネット「順位より実用性」「これからは量子コンピューター」 | ニコニコニュース
一点気になるのは、今回のベンチマークで2位に圧倒的な差をつけたことで、「ニッポン凄い!」と大喜びしているメディアも多いが、どう見ても喜び過ぎであること。
そもそも、スパコンの開発は、5年から10年かかる長期的な事業であり、日本も「富岳」は「京」の後継モデルだが、それから8年掛かっている。
中国が開発中の新型スパコンの性能は100京級 | SciencePortal China
当然ながら、現在、中国やアメリカも、設計性能は若干「富岳」を上回ると言われる1000PFLOSクラスのスパコンを着々と開発しており、特に、中国の「天河3号」は、本来今回のベンチマークで登場予定だったのが、開発が遅れて、稼働は来年になったという幸運もあった。
アメリカも来年には稼働するはず。
一方、「富岳」も本格稼働は来年度の予定で、現在は6割程度のリソースしか使っておらず、最終的には1000PFLOS前後の性能が出る可能性がある。
現状の415.5PFLOPSという性能のは、現状の設計上の性能に近い実性能が出ているようなので、本格稼働時でも、1000PFLOSに近い性能が期待できるかもしれない。
従って、次回TOP500ランキングは、中国やアメリカの新しいスパコンが、どの程度、設計に近い実性能が出せるどうかかで、「富岳」も含めた順位が決まってくると思う。
その意味で、次回以降のTOP500ランキングは注目だと思うな。
関連記事:
スパコン世界ランク「TOP500」は、米国が3連覇:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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前回首位で今回は2位のIBM製Summitは148.8PFLOPSに比べて、約2.8倍の性能で、圧倒的な差をつけての首位だ。
しかも、「富岳」は、基本となる演算能力だけでなく、ビッグデータ、実用アプリ、AIのベンチマークの6部門中4部門で首位を獲得しており、幅広い分野で高性能を発揮できるという。
こうしたスパコンでは、単純な演算処理が得意なGPUコアを多数使って、高い性能を達成するものが多かったが、GPUが得意なアプリケーションは広くはない。
ASCII.jp:世界1位のスパコン富岳は競争のために作ったわけじゃない (1/5)
「富岳」は、ARMコアをベースにスパコン用拡張を加えたCPUを、ワンチップに多数集積するアプローチを取った。
「富岳」では、このCPUコアを52個集積搭したLSI「A64FX」を開発し、これ1個でも、浮動小数点演算性能は3TFlopsもあり、メモリバンド幅は1024GB/sを実現するという。
消費電力1ワットあたりの性能でも、16.876 GFLOPS/Wを達成し、世界トップクラスの消費電力性能であるという。
汎用CPUをコアとするアーキテクチャを採用することにより、基本の演算処理だけでなく、ビッグデータ解析やAI処理など、幅広い分野で高い性能を発揮するスパコンにできたようだ。
すでに新型コロナウイルス感染症対策の研究などで実績を上げ始めており、今後は、創薬や高性能な材料の開発、気象・温暖化予測などに利用される予定だそうだ。
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そもそも、スパコンの開発は、5年から10年かかる長期的な事業であり、日本も「富岳」は「京」の後継モデルだが、それから8年掛かっている。
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当然ながら、現在、中国やアメリカも、設計性能は若干「富岳」を上回ると言われる1000PFLOSクラスのスパコンを着々と開発しており、特に、中国の「天河3号」は、本来今回のベンチマークで登場予定だったのが、開発が遅れて、稼働は来年になったという幸運もあった。
アメリカも来年には稼働するはず。
一方、「富岳」も本格稼働は来年度の予定で、現在は6割程度のリソースしか使っておらず、最終的には1000PFLOS前後の性能が出る可能性がある。
現状の415.5PFLOPSという性能のは、現状の設計上の性能に近い実性能が出ているようなので、本格稼働時でも、1000PFLOSに近い性能が期待できるかもしれない。
従って、次回TOP500ランキングは、中国やアメリカの新しいスパコンが、どの程度、設計に近い実性能が出せるどうかかで、「富岳」も含めた順位が決まってくると思う。
その意味で、次回以降のTOP500ランキングは注目だと思うな。
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2020-06-26 00:00
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