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車の買い替えを考える(5) 衝突安全性能について [乗り物]

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【JNCAP2020速報】最も安全な車種はなに?統合評価でより分かりやすく | くるくら

国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が1995年から実施している「自動車アセスメント(JNCAP)」は、2020年から、これまで別々に評価されていた衝突安全性能と予防安全性能が、一つの評価に統合されて発表されるようになった。

【JNCAP2020速報】最も安全な車種はなに?統合評価でより分かりやすく(くるくら) - Yahoo!ニュース

毎年すべての車種がテストされるわけではないが、メーカー側が、主に、新モデルが発売されたとき、既存車種がフルモデルチェンジしたときに、その車をテスト依頼し、その結果が毎年、随時発表されている。

衝突安全性能(パッシブセーフティ)とは、以前からテストされていた、車が車と、あるいは固定物と衝突したときに、搭乗者の安全をどの程度守れるかを示す指標だ。

一方、予防安全性能(アクティブセーフティ)は、最近、機能充実が目覚ましい、車が、他の車や人、物などになるべく衝突しないよう制御する性能の指標だ。

今回は、まず衝突安全性能について、考えることにする。

衝突安全性能の試験では次のような項目が試験されるそうだ。

・フルラップ前面衝突試験
・オフセット前面衝突
・側面衝突
・後面衝突頚部保護

さらに、歩行者との正面衝突試験により、頭部保護性能と、脚部保護性能が試験される。

これに、シートベルトの着用警報装置の有無も加えて、毎年、テストされた車の評価結果が発表されている。

【JNCAP2018-2019】全23車種による衝突安全性能ランキング | くるくら

こうした試験、一般的に考えれば、軽くて小さな車は不利なはずだが、例えば2019年の結果を見ると、全23車種のうち、

・第5位:88.7点 N-WGN/N-WGN カスタム(ホンダ)★★★★★
・第10位:86.5点 デイズ/デイズ ハイウェイスター(日産)、eKワゴン/eKクロス(三菱)★★★★★

といった軽自動車が、五つ星評価で、比較的上位にランクしていたりして、かならずしもそういう結果とはなっていない。

軽自動車は危険?衝突安全性は嘘なのか【強度・頑丈のランキング上位はホンダ車】 | あんとり。

「安全性能5つ星なら安全」は大間違い!?普通車と軽自動車の違いは? - CarTrivia[カートリビア]

ただ、これについては、試験結果がよくても、軽自動車が安全とは言えないと主張する方々が、昔からいるのは事実だ。
このことについて、改めて考えてみよう。

まず、乗員保護性能を担保する技術としては、「衝撃吸収ボディ」「シートベルト」「エアバッグ」などがある。

衝撃吸収ボディ

「衝撃吸収ボディ」は、車の前後にクラッシャブルゾーンを設け、例えば正面衝突時であれば、エンジンルームが衝撃を緩和するように潰れることで、キャビン内部の変形を抑え、人体への損傷を抑えるもので、一時は、自動車保険も、「衝撃吸収ボディ」を採用している車の保険料を下げる優遇を行っていたりもしたが、最近は、当たり前の技術になったため、そのような優遇措置もなくなった。

シートベルト

衝突時、人体がシートベルトから飛び出すのを抑止する。
最近の車は、後席の中央座席も、3点指示のシートベルトが義務付けられており、シートベルトの装着位置調整機能などで細かな差異はあるが、どの車も大きな差はなくなりつつある。

エアバッグ

衝突を検知したときに、急激に膨らんで、シートベルトと併せて、人体の飛び出しを抑止する。
運転席、助手席のエアバッグは、法律で義務付けられているのでついているのは当たり前だが、側面衝突に対しても、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグが、少なくともオプションで追加できる車がほとんどであり、ここも車による差は少なくなりつつある。

そして、実際に、衝突時に、これらの技術が複合的に作用し、安全性が保たれるかを、一定の条件で検証するのが、「自動車アセスメント(JNCAP)」ということになる。

この一定の条件というのが曲者で、軽自動車が危険だという発言の根拠ともなっている。

例えば、フルラップ前面衝突試験は、時速55kmで壁に衝突させる。

なので、例えば、これを車を壁に衝突させる自損事故に見立てると、軽自動車であろうと、普通自動車であろうと、評価結果は対等に扱っていいように思う。

しかし、これを車同士の正面衝突に見立てると、自車と同じ重さの車が、どちらも時速27.5kmで正面衝突した場合と等価に置き換えることができる。
従って、実際の事故で、衝突する車が重い車であれば、衝突のエネルギーはそちらの方が大きくなるため、相対的に、自車の被害は大きくなる。

側面衝突についても、自車と同じ重さの車をぶつける想定での試験結果なので、自車より重い車に側面衝突した場合は、人体への被害は、テスト結果より重くなる可能性がある。

また、試験では人体モデルに特定方向の加速度センサーを取り付けて、人体への被害を計測しているが、横幅より高さがある軽ハイトワゴンなどでは、テストで車が横転するケースもあり、そのような横転による人体への影響は、かならずしもセンサーで検知できているとは言えないようだ。

追突についても、「自動車アセスメント」の試験内容は、正面衝突に比べて簡易的なものなので、荷室がほとんどない軽自動車の後席は、事故時の障害リスクは高いという。

こうした説明は、納得できる部分もあるのだが、その一方で、物凄くモヤモヤする点がある。

それは、軽自動車が危険だというサイトで、根拠の説明の肝心の部分になると、説明が突如定性的になり、数値的根拠が乏しくなることと、その割に、結論が、軽自動車は危険だが、普通自動車なら安全というデジタル的な判断になってしまっている点だ。

確かに、車は軽くて小さいいほど、背が高いほど、危険性は高そうだ。それは直感的にも分かる。

じゃあ、トヨタ・パッソや、スズキ・ソリオのような、重量が1トン前後で、下手すると軽ハイトワゴンより軽いリッターカークラスの普通乗用車が、ゼロイチ思考で、「軽じゃないかから安全だ」と何故言えるのだろうか?

軽が安全じゃないというサイトには、必ずと言っていいほど、大型トラックに衝突してぺしゃんこになった軽自動車の写真を掲載しているが、4トントラックにまともにぶつかったら、リッターカーだってぺしゃんこになる可能性は高いし、人だって死ぬ確率は高いだろう。

車が大きく、重くなれば、それに伴い安全性は向上するだろうが、じゃあ、普通自動車であっても、どのぐらいの大きさ、重さなら安全か、までは何も言及しないのは、こうしたサイトの説明のズルいところだ。

また、今走っている車の4割は軽自動車で、バス・トラックの割合は2割弱だ。
だとすれば、車両事故で遭遇する車の割合も、一番多いのは軽自動車のはずで、トラックと衝突する事故自体は半分以下の可能性が高い。

軽自動車の危険性を主張する人は、「もし起きたら」というIF条件で、トラックに挟まれてぺしゃんこになった軽自動車の写真を掲載するが、実際に、そんな事故が起きる確率はどのぐらいあるのか?

軽が追突に弱いというが、実際のところ、正面衝突がぶつかる車の速度をプラスした衝撃になるのに対し、追突事故は、ぶつかる車が同じ方向に走っているため、相対的に衝突速度は両車両のマイナスになるから、被害は小さくなるケースが多い。

第2節 平成30年中の道路交通事故の状況|令和元年交通安全白書(全文) - 内閣府

そのことは、こちらの記事でも、追突事故の場合は、件数と死亡事故件数に大きな差があることでもわかる。

また、事故原因の中で、側面衝突が主なのは、右・左折時事故だと思われるが、件数は13%に過ぎない。

一方、正面衝突は、件数は3.5%に過ぎないのに、死亡事故件数はいきなり30%を超え、事故原因トップに躍り出るのだから、衝突安全性でも、正面衝突を重視して検証するのは当然のことだろう。

そうした確率を一切無視して、あらゆる衝突条件を、すべて対等に考えること自体が無意味だと思う。

だって、極論を言えば、トラックと衝突しても安全にしたいなら、トラックと同等の重さのボディにするしかないのだが、誰もそれは望んでいないし、結局は、どこかで妥協するしかないことなのだから。

さて、現時点での、衝突安全性についての私の結論としては、車は、軽くて背が高いほど、安全性は低くなる可能性が高いが、あくまで相対的なものであり、軽自動車だからダメで、普通自動車になった途端、いきなり安全だということではないということ。

今回、私が乗換えを検討している車は、普通自動車だったとしても、いわゆるリッターカークラスの全長が4m前後のハッチバックタイプになるから、衝突安全性についても過大な期待は禁物だと思う。

なお、衝突安全性能に加え、最近は、予防安全性能というのが重視され、こちらの機能、性能がどんどん向上している現状があり、話がさらにややこしくなっている。

こちらについては、また後日、調べて考えたことを書きたい。

関連記事:
車の買い替えを考える(4) 諸経費で考える:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
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