デタラメだった新車予想動画を振り返ってみる [乗り物]
YouTubeの新車予想動画は、車の購入検討の役に立たない:トドのつまりは・・・ V2:So-netブログ
「YouTubeの新車予想動画は、見ても役に立たない」ということを、少し前に書いた。
こうした動画は、あくまで予想なので、外れても仕方ないのは確かだが、私のような車マニアでもない人間でも、頭の中が「?」となるような幼稚な予想を語られると、ガッカリしてしまう。
今回は、具体的に、私が見た動画で「これはないわ」と思った予想情報を、例としていくつか取り上げて分析してみる。
2023年秋発売の新型ムーヴキャンパスに、e-SMART HYBRIDが搭載される
実際、搭載されなかった訳だが、私は「そんなもの、軽に今の時期に載せられる訳ないやん!」とツッコミを入れていた。
e-SMART HYBRIDは、ダイハツが独自に開発したシリーズハイブリッドシステムで、ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ向けに初めて搭載されたが、実際評判がいい。
そして、ダイハツ自身も、軽自動車をハイブリッド化するなら、発電用エンジン+駆動用モーターの、シンプルな構成のシリーズハイブリッドしかないと考えており、将来的に軽自動車に載せることを考えe-Smart HYBRIDの開発に注力していることを明らかにしている。
予想動画では、それだけを読んで、新型ムーヴキャンパスにも、すぐそれが載るに違いないと予想したのだろう。
ただ、ロッキーのHVシステムでは、1.2LDOHCエンジン+106ps/170Nmのモーターを搭載しており、それを軽自動車に載せるとしたら、何も流用できるものはなく、660ccエンジンも、モーターも、トランスアクスルも、すべて新規開発する必要がある。
しかも、軽のエンジン車でも、高速走行はターボなしでは厳しいが、シリーズハイブリッドで途中に変換ロスが入ることを考えれば、さらにエネルギー効率を上げ、車体を軽量化しないと、100km/hの速度を維持することさえ難しいだろう。
さらには、現在の軽自動車のボンネットを開けると分かるが、通常のエンジン車でも、ギリギリ一杯に部品が詰まっており、車の構造を変えずにHVシステムを乗せるには、個々の部品の劇的なコンパクト化しないと無理だが、それは決してたやすいブレイクスルーではない。
一方で、自動車メーカーでは、もし、それだけ難易度の高い軽自動車用のHVシステムを開発出来たら、それは一大事なので、その時点で技術発表を行うのが通例。
それがいまだにない時点で、新型ムーヴキャンパスにe-Smart HYBRIDが載る訳がないのだ。